内容説明
国連のSDGs(持続可能な開発目標)達成モデルと称賛される福岡県大木町、みやま市での経験をもとに、焼却炉も下水道も不要、人口減少・高齢化・経済縮小時代にマッチしたエコで安上がりな「循環のまちづくり」を大胆に提案する。
目次
1 ごみ処理はいまどうなっているか―現状と可能性(大木町の循環事業;生ごみを分別すれば残りは燃料資源;「捨てる」から「処理して捨てる」になっただけ;過剰な処理施設;焼却施設の削減から廃止へ ほか)
2 「循環のまちづくり」のすすめかた(循環事業の3つのモデル;「つながり」事業1液肥を組織的に利用する;「つながり」事業2伝え続ける仕組み;地域循環仕様のメタンプラント;終章:自立する地域経済のために)
著者等紹介
中村修[ナカムラオサム]
1957年佐賀県唐津市生まれ。大阪大学工学部環境工学科卒、九州大学大学院農学研究科修了。農学博士。長崎大学環境科学部准教授などを経て、2017年9月より、一般社団法人循環のまちづくり研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zag2
24
福岡県でのゴミ資源化の取組をもとに「循環のまちづくり」を提唱しています。実際の活動をもとにしているだけあって、提言に具体性があり、実現可能性も高いものと思いました。しかし実際には、行政がなかなか動き出さないようです。既得権益もあるし、既存の処理施設に問題があると言うと、過去の決定が誤りだったことになり、物議を醸してしまうなど、方向転換がし難い事情が見えてきます。こうしたしがらみが、社会になんとない停滞感をもたらしているように思えますが。2022/02/28
Humbaba
2
公共のサービスは、公平であることが求められる。ただし、その公平さは結果に対して誠実であることが正しい場合ばかりではない。市民の協力により成立している仕組みであれば、その利益を偏って分配することこそが正しいケースも有る。それをやらずに只数だけを平等にすると、やる気を低減させてしまい仕組みが成り立たなくなる可能性が高い。2017/11/01
Tomonori Yonezawa
1
【地元図書館】仕事絡み、SDG sネタの押さえとして借り。中盤ぐらいまでなかなか面白いなと思いながら読んだ。特に、50P辺りの下水道と合併槽を建設コストや維持費で較べた話。ただし、やや思想に偏屈なところがある感じで、終盤でやや鼻につくとこもあった。人は頭で考えるほど簡単には変われないのよ。変われたならそれは革命でさ。行政は目的地に一直線は無理で、現状をヨシとしてる人にも妥協できる曲げを繰り返して辿り着く。この循環型事業を成立させるためにもうちょっとステップが必要だよな。2019/04/06