内容説明
シカと日本人とが長く共存してきた歴史的事実を振り返りながら、シカ被害への有効な解決策の一つになりうる「シカの準家畜化→シカ資源の有効活用」による地域産業興しを提案する。1980年代から本格的に試みられてきた国内での養鹿(シカ飼育)の経験を検証しながら、そこで蓄積されてきた知見や技術をもとに、牧場の開設から経営、飼養管理、シカ資源の利活用まで具体的に解説する。
目次
第1章 シカ被害解決への道すじ(農林業被害から見たシカ資源活用の展望;養鹿への挑戦―シカ飼育の歴史と現状)
第2章 シカと人の関係史から(筆者とシカの関わり;シカの精神文化史;シカの物質文化史)
第3章 牧場の開設に向けて(シカの生態と行動を知る;牧場(飼育施設)を選定する
シカを導入する
養鹿経営の実際から学ぶ)
第4章 飼養管理の実際(飼養管理の原則とポイント;雄ジカの飼養管理;雌ジカの飼養管理;幼ジカの飼養管理;シカの繁殖生理;疾病対策)
第5章 シカ産物の利用と開発(シカ資源の利用に向けて;シカ肉の利用と開発;皮革の利用と開発;幼角(鹿茸)の利用と開発)
著者等紹介
宮崎昭[ミヤザキアキラ]
昭和36(1961)年京都大学農学部卒業。京都大学教授、学生部長、大学院農学研究科長・農学部長、副学長で退官。名誉教授。その間、朝日農業賞中央審査員、農政審議会専門委員、文部省農学視学委員、畜産振興事業団評議員、農畜産業振興事業団運営審議会会長。その後、畜産大賞中央全体審査委員長などを経て、現在、(公社)中央畜産会理事、(公財)日本食肉消費総合センター理事。専門分野は畜産資源学、国際畜産論で、昭和51(1976)年に日本畜産学会賞を受賞
丹治藤治[タンジトウジ]
昭和25(1950)年日本大学獣医学部卒業。資格:獣医師。昭和27(1952)年同大学法学部卒業。協同薬品株式会社、クミアイ化学工業株式会社を経て(株)畜産資材研究所創立、のち(株)カルタンに社名変更、現在に至る。その間、クミアイ家畜薬研究所創立、養豚技術研究所創設、木幡雑草会創立(日本最初のふるさと興し活動)、(社)日本中国農林水産交流協会監事・専務理事、全日本養鹿協会創設専務理事・会長、日本鹿皮革開発協議会創設会長、日本鹿皮革文化を考える会発起人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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