出版社内容情報
どれほど膨大な犠牲者を数える大災害であっても、村落という小規模の社会から被災のあり方を眺めることで、むしろ多様な備えの可能性や、逆に災いを大きくしてしまうきっかけを見出すことができるかもしれない。中越地震の被災地、東日本大震災の津波被災地、および原発事故の被災地、そして大小の水害に見舞われてきた利根川の中洲に位置する集落、そして孤立しやすい環境にあって、未だ訪れない災害に備えようとする徳島県の中山間地、それぞれの場所で村落や家がどのように災害を迎えようとしていたのかを論じる。
日本村落研究学会[ニホンソンラクケンキュウガッカイ]
企画・原案
目次
序章 特集の解題
第1章 災害からの集落の再生と変容―新潟県山古志地域の事例
第2章 T型集落点検から見た被災地の家族と集落
第3章 自然災害から回復する漁業集落の諸相―東日本大震災と三陸漁村
第4章 災害に備える村の事前復興の取り組み―徳島県西部中山間地の事例から
第5章 村落相互の対立と水害の分配―災害のもたらす被害から受苦へ
第6章 東電福島第一原発に大熊町と双葉町が睥睨されるまで―設立経緯と内包された問題
終章 災害の伝承媒体としての村落