内容説明
「田舎」をもたない人間が「里」をもつことは可能か。群馬県の山村・上野村に三〇年通い続けた著者が、念願の古い家を譲り受ける。そこで畑を耕し、四季折々、村人とかかわるなかで、現代人にとって里とは何かを考えていく。ほかに関連論文やフランスの山村のレポートなど三編を収録。
目次
里の在処(冬の陽ざし―山里の空家;春の畑―無事な里;夏の猪―村人と動物たち;秋の訪問者―山の道具屋;永遠の時空―野ネズミチュー太の正月;曲がりくねった道―結ばれていく社会;記憶の混乱―降りつづく雨;村の精神―里の可能性)
多層的精神のかたち
農村の継承と循環の系へのまなざし―守田志郎『むらの生活誌』解説
いまフランスの山村では―中央高地・ラルザック地方の人々
著者等紹介
内山節[ウチヤマタカシ]
1950年、東京生まれ。哲学者。1976年、『労働過程論ノート』(田畑書店)を著わす。1970年代から東京と群馬県上野村を往復して暮らす。趣味の釣りをとおして、川、山と村、そこでの労働のあり方についての論考を展開した『山里の釣りから』(1980年、日本経済評論社)を刊行。NPO法人・森づくりフォーラム代表理事。『かがり火』編集長。「東北農家の二月セミナー」「九州農家の会」などで講師を務める。2010年4月より2015年3月まで立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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