内容説明
家族農業が食料(安全)保障や食料主権、真の経済成長と雇用創出、貧困削減、生物多様性の持続的管理や文化的遺産の保護等々に貢献できることを、国連食糧農業機関が、実証的・理論的に明らかにした画期的報告書。
目次
第1章 小規模農業と投資(小規模農業とは何か;投資;小規模農業への投資の制約条件)
第2章 なぜ、小規模農業へ投資するのか(食料保障と持続可能な発展を実現するための小規模農業の役割;構造変化と小規模農業)
第3章 どのような投資が必要か(小規模経営による農場の生産財への投資;資産の乏しさを克服するための共同投資;市場を機能させるための投資;制度を機能させるための投資)
第4章 小規模農業―投資のための戦略的アプローチ(小規模農業のためのビジョンを基礎にした「小規模経営投資国家戦略」;新しい政策課題の要素)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
25
’13年初出。小規模農業とは、家族経営で家族労働力のみ、またはこれを主に用いて、所得割合は変化するが、大部分を労働から稼ぐ農業(20頁上段)。食料保障、食料主権、経済成長、雇用創出、貧困削減、周縁化集団の解放、不平等是正に貢献する(212頁下段)。チャーヤノフは、労働投資を通じて小規模経営は資本形成をし、成長や発展に寄与する内発的発展、下からの発展を指摘した(61頁下段)。家族福祉には、健康や社会的義務を伴うが、最も弱い立場の食料・栄養保障に影響を与える危険要因がある(65頁上段)。 2015/02/10
えも
14
小規模な家族農業は、非効率的で消えゆく農業形態ではなく、持続可能でリスク分散が可能な農業形態であり、各国政府は適切に投資すべきだ、という、国連の調査パネルの提言▼言ってることは確かになるほどと思うけど、世界全体を見て議論を展開しているので、誰かが日本農業における有効性を検証してくれるとイイな☆2015/04/10