目次
1 ポストTPP農政の展開構図(「戦後農政の総決算」の構図;「ポストTPP農政」の諸相;「ポストTPP農政」と農協)
2 「活力創造プラン農政」と地域政策(「活力創造プラン」と地域政策の論点;農業地域政策としての多面的機能支払い;アベノミクスと農村地域政策 ほか)
3 食料主権を担保する論理と政策理念―国連・国際家族農業年に照らし、TPPと食料安全保障を考える(「低価格志向」は消費者の本性か?―「はじめに」に代えて;「食料安全保障」の概念を掘り下げる;食料価格ショックと食料の国際需給動向 ほか)
著者等紹介
田代洋一[タシロヨウイチ]
大妻女子大学社会情報学部教授。横浜国立大学名誉教授。1943年、千葉県生まれ。1966年、東京教育大学文学部卒。博士(経済学)
小田切徳美[オダギリトクミ]
明治大学農学部教授。1959年、神奈川県生まれ。1988年、東京大学大学院農学研究科単位取得満期退学。博士(農学)
池上甲一[イケガミコウイチ]
近畿大学農学部教授。1952年長野県生まれ。1980年、京都大学大学院修了。博士(農学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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田代洋一教授によると、ポストTPP農政ではベトナム米低価格輸入が、日本のさらなる農地集積につながるとみている(21頁図3)。中山間のJAや自治体の事業をフィールドワークで明らかにしている(45頁~)。小田切徳美教授によると、日本型直接支払の概要からすると、多面的機能、直接支払、環境保全農業とあるようだ(61頁)。農業地域政策として、①人・農地プランの否定、②多面的機能支払はあまり期待できないという(86頁上段)。民主党から自公政権へとシフトしたことから、農政への舵取りも変容していく。 2014/11/10
Moloko
0
TPPに対する農業・農村・食料主権からの反対論をそれぞれ読んだが、前後の論者の指摘は一部、一部に飛躍的な政治的主張があるとも思えたが、農業への補償に対する問題やランドグラブ(土地収奪)への指摘は印象深かった。農村への政策にも混乱やミス、視点漏れなどから、アベノミクス農政のプランの問題点を論理的に纏められてる二番目の論文はとても面白かった2016/01/02