内容説明
協同組合の固有の価値の発揮で新自由主義でグローバリズムを超える地域発展戦略を描く。日本・中国・韓国の農業協同組合の比較を行い、性格が異なる3カ国の農協が東アジアのくくりで協力していく展望を描く。それぞれの国で地域農業と地域活性化に寄与し、3カ国の農協が参加する、柔軟で互恵的な農産物貿易ルールづくりへの挑戦を提起。
目次
第1部 日本の農業協同組合の発展経過と今後の展開方向(新しい時代に向けた農協の変革のために;日本の農協の発展経過 ほか)
第2部 東アジアにおける農協の発展戦略―韓国・中国の現状を踏まえて(韓国総合農協の歴史的展開過程;韓国農協の発展戦略としての「地域総合センター」 ほか)
第3部 東アジアの農協の将来への期待(日本・韓国・中国の農業協同組合が果たす役割とその将来への期待;東アジアの農協への期待、そして将来像)
補論 新たな農協の発展のための理論的試み(変貌する世界経済と真に互恵的な国際貿易ルールづくり;新自由主義と哲学的背景の考察 ほか)
感想・レビュー
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壱萬参仟縁
8
6次産業化の章立てに注目した。今村奈良臣先生は、あの「梅栗植えてハワイへ行こう!」=NPC運動 の大山農協から6次産業という発想を想起されたという(95、99頁)。キーパーソン矢幡治美氏。他の事例は、高知県馬路村のゆず、広島県世羅高原のなし、ぶどうの果樹、JAネットワーク十勝。補論は、TPPがある。TPPは倫理的に病み、勝ち組/負け組であっては、だめで、両方勝たなければ両方負けに・・・(215-6頁)との指摘に、社会的な総崩れ現象を招かないよう、釘がさされている。全く同感。社会にとってTPPは何かを問う。2013/05/25