内容説明
本書は、かつて経験したことがない大きな震災の現実を収めてはいるが、その悲惨さを伝えることだけに重きをおいた写真集ではない。震災による極限の状況の中から、稲作はもちろん、作物を育てることから歩み始めた農民の強さと、そこに暮らしつづけようという意思と生き方をも語りかける内容の写真集である。
目次
東日本大地震・大津波が襲った
翌日の三月十二日の未明には長野県栄村を震源地とする震度6の地震が起こった
福島第一原子力発電所が壊れ、放射能が漏れ出した
そして、被災地にも春が来て復興へと動き出していた
著者等紹介
橋本紘二[ハシモトコウジ]
1945年、山形市生まれ。山形県立東根工業高校電子科卒。東京綻合写真専門学校卒。日本写真家協会会員。1979年度日本写真協会新人賞受賞。2008年、処女作となった『春を呼ぶ村』の舞台、雪深い新潟県松之山町に居を移して全国の農村農民を撮りつづけ、主にグラフ誌や農業雑誌に発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ikedama99
5
地元の図書館で読んだ本。モノクロでまとめられた写真が訴えてくるものは、やはり災害直後の重苦しさ。撮影した橋本氏も、自分に訴えかけながら撮影をしていたことが、最後にまとめられている。また、大震災の直後の長野での地震の写真もあり、その被害にもふれられている。こちらも忘れてはいけないと感じる。明日が、9年目のその日だ。2020/03/09
海山ごはん
5
記録写真は、雄弁に語る。地震と津波のこと、原発事故のこと、そして人の逞しさを。はじめにも書いてあるのだが、この震災は『世界最大級』だったのだと改めて思う。2017/03/09