成功する「生ごみ資源化」―ごみ処理コスト・肥料代激減

中村 修/遠藤 はる奈【著】

農山漁村文化協会（2011/09発売）

• サイズ A5判／ページ数 134p／高さ 22cm
• 商品コード 9784540111273
• NDC分類 518.52
• Cコード C0061

内容説明

多くの自治体が、ごみの量やその処理費用の増大に苦しむなかで、焼却ごみを半減させ、施設の建設費や運転コストも激減させ、他方で、生ごみからつくった液肥を地域の農業で有効利用し農家の肥料代を大幅に削減、地域農産物のブランド化や学校給食の食材化にも生かす―自治体・農家・地域“三方一両得”の仕組みとノウハウを紹介。「生ごみ資源化」を、ごみ処理という後ろ向きの事業としてではなく、循環型地域づくりの方法として提起。その成功のポイントを、各地の優良事例や、その試験錯誤の経過分析とともに、どこでもできるノウハウとして一般化。

目次

第１部　生ごみ資源化による循環型地域づくり（大木町の循環のまちづくりに学ぶ；築上町の取り組みの試行錯誤に学ぶ；循環利用をすすめるための「社会変換」）
第２部　全国の自治体の課題分析と資源化の「手法」（五自治体にみる生ごみ資源化の問題点と解決の方向性；生ごみ資源化の現状と課題―全国の自治体へのアンケート調査結果から；生ごみ資源化の「手法」―計画立案の仕方から、分別維持の啓発、液肥の活用促進策まで）
第３部　有機物が循環する循環型地域社会の構想（プランＡからプランＢへ；都市と農村の循環的つながりの再生）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[だしまき]

生ゴミの資源化を実現した大木町や山鹿町は本当にすごいと思った。ゴミをゴミではなく資源として前向きに捉えていることが素晴らしいし、一部ではなく地域全体で活動している点や、分別意欲を向上させる制度が整っている点、循環社会の教育を行っている点など様々な工夫が組み込まれており、都市部にもぜひ導入を検討してほしいと思う。 生ごみやし尿などを液肥として使用し、農家の活性化させ地産地消をする。循環させることで経済効果を生みつつ環境保全にもつながる。もっとこんな活動が広がればエコエコノミーな社会を築いていけるはずである。

2013/11/26

[kozawa]

実際の取り組みを取り上げてわかりやすい。メリットってマクロにみてどんなもんよという話はあるんだけど、福岡県旧朝倉町でかつて運用されていた生ごみ分別がダイオキシン問題も絡んだ老朽化対応の焼却炉の広域統合新設に伴って分別して焼却ごみが減ると国から補助金が出ないというのを主たる理由として分別がなくなったという解説に切なさを感じたりはする

2012/01/06