内容説明
「地域個性」「地域力」をつかむには、野外に立って、大地と大気の接触面に現れるさまざまな「地表現象」(地形や風向・湿度、土地利用、植生、作物や蚕の育ち、屋敷の配置や構造、集落配置…)に注目し、その地域にとって重要な現象を選び、重ね合わせ、他の地域ともくらべ、総合的な認識に高めていくことで実現できる。その考え方、野外調査の方法、観察指標と観察方法を具体的な調査事例とともに示す。
目次
ガイダンス論文(「自然の偉力」「地域の力」による地域振興を;豊かな地域個性の発見と探求―求められる観察眼と実際)
第1編 地域性とその究明―地理学の本質(究明すべき「地域」とはなにか;地域性究明の方法―地理学的景観とそのとらえ方;野外(臨地)調査の方針と方法
地域性究明の研究過程)
第2編 地域個性と地域力探求の学習―地理教育(地域観念の養成に向けて―地理教育の目的;教育からみた「郷土」の意義と学習のすすめ方;地域個性の観察と発見の実際―教材の系統化に向けて)
関連論文(地表現象の観察から景観の構成へ―「地域個性」の究明行程;産業を飛躍的に発展させる「地域の力」の解明)
著者等紹介
三澤勝衛[ミサワカツエ]
1885(明治18)年長野県更級郡更府村(現・長野市信更町)の農家に生まれる。尋常高等小学校卒業後農業に従事しながら勉強し、小学校の代用教員になる。その後検定試験に合格し、地理科教員免許を取得。1920(大正9)年長野県立諏訪中学校(現・長野県諏訪清陵高校)の教諭になり、「自分の目で見て自分の頭で考える」教育の実践と、独自の「風土」の思想を確立し、風土に根ざした地域産業・暮らし・地域づくりに生涯をささげた。太陽黒点の観測・研究者としても国際的に高く評価されている。1937(昭和12)年8月18日永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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