内容説明
私たちの住む地球上には、各地域の気候風土が多様であるように、驚くほど多様な住居とそこに暮らす人々がいる。たとえば高温乾燥地域イランの、外からはうかがい知れないオアシスのような開放的な中庭と地下深い夏の居室。高地ペルー・チチカカ湖に浮かぶ葦草の島と小さな葦草の家。スペイン・アンダルシア地方の数百年にわたって住み続けられてきた洞窟住居。高温多湿のベトナムで先祖を守るようにして建つ閉鎖性の強い住居。それらの住まいはその風土の特質のなかで、居住の快適さを生む知恵や工夫をはたしてどの程度もっているのだろうか?イラン、ペルー、スペイン、ベトナムという気候の異なる世界四地域の住居を気候計測と空間実測の両面から調査した体感的フィールドワークの書。
目次
第1章 砂漠地帯の民家を調べる―強い囲みの中の開かれた中庭とドーム イラン・キャヴィール砂漠周縁
第2章 湖上の葦草の家とアドベの家を調べる―標高四〇〇〇メートルの隠れ里で見た「場所の力」 ペルー・チチカカ湖周縁
第3章 地中の家、崖下の家を調べる―洞窟住居のおだやかな室内環境と「白の力」 スペイン・アンダルシア地方
第4章 囲みの家、籠の家を調べる―亜熱帯モンスーン地方にみる家のかたちの多様さ ベトナム・ハノイ近郊農村とホイアンの町家
第5章 民家のかたちと気候―四地域の住まいの温熱環境を比較する
著者等紹介
益子義弘[マスコヨシヒロ]
1940年東京都生まれ。建築家。東京芸術大学教授。1964年東京芸術大学美術学部建築科卒業。1965年同大大学院修士課程修了、同大助手(吉村研究室)。1973年MIDI総合設計研究所、1976年M&N設計室を開設(永田昌民と共宰)。1984年東京芸術大学助教授、1989年同教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Yoko Narano