内容説明
堆肥でつくるとなぜおいしいのか?本当に、堆肥や有機質肥料だけでは収量は上がらないのか?そもそも堆肥や有機質肥料が効くとは、どういうことか?正面切って論じられてこなかった「有機栽培の科学」にせまり、たんなる経験やカンではなく、データでつくりこなすための道筋を明らかにする。簡易な土壌養分検定のやり方やデータの読み方、各作物別の施肥設計、実際の堆肥づくり、アミノ酸肥料づくりのポイントなど、良食味と多収を実現する実践的なノウハウも満載。有機栽培のしくみがまるごとわかる一冊。
目次
序章 なぜ、有機栽培で失敗するのか―思いちがいから探る
第1章 有機栽培って何だろう?
第2章 作物の生長と有機栽培
第3章 有機栽培の土つくり
第4章 有機栽培と肥料―アミノ酸肥料とミネラル肥料
第5章 土壌分析の考え方とその実際
第6章 有機栽培の作目別施肥設計とその実際
第7章 堆肥・アミノ酸肥料(ボカシ肥料)のつくり方
著者等紹介
小祝政明[コイワイマサアキ]
1959年、茨城県生まれ。大学の外国語学部と、さらに農業関係の大学で学んで現場に。その後オーストラリアで有機農業の研究所に勤務して、帰国。現在は、有機肥料の販売、コンサルティングの(株)ジャパンバイオファーム(長野県伊那市)代表を務めながら、経験やカンに頼るだけでなく客観的なデータを駆使した有機農業の実際を指導している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kan
6
有機栽培の教科書的な存在だなと思った。 理論や土壌分析による、数値で農業をするという点に関してはごもっともだと思った。しかし、植物が吸収する栄養素(おもに有機物)については未だ解明されていないことが多いので、確実に正しいとは言えないのではないだろうか?個人的には堆肥を利用した土づくりによる物理性、生物性、化学性の改善が一番印象に残った。2021/06/01
里のフクロウ
0
有機栽培の施肥技術を主体として解説したもの。植物の生長生理を基礎に必要とする栄養素を説明していく手法は理解しやすい。しかしながら理論的根拠として、植物が有機物を吸収するという知見を生長の一般原理として普遍化しているように読み取れることは大いに問題だと思う。現在の科学的知見では、特定の植物で光合成能が制約される場合の補完的機能として理解されているはずである。不確実な理論に基づいて組み立てられた技術はその結果を迷宮の地に導きかねない。出版元の農文教には「有機栽培の基礎知識」(西尾道徳)との整合性を求めたい。2017/04/10
yurari
0
大変勉強になった!借りた本だが購入を決めた。有機栽培という言葉に満足していては、更に品質の良い物は作れない。科学的な視点がとても良い。2012/09/18
-
- 和書
- すきなのだあれ?