内容説明
本巻では、家庭からその時どき、それぞれの目的の場へ持参して食べる弁当、携行食の数々を収めました。
目次
祭りと行事の弁当
行楽、子どもの弁当
働く人びとの弁当(野良仕事の弁当;山仕事の弁当;海漁、川漁の弁当;行商、職人、勤め人の弁当)
著者等紹介
奥村彪生[オクムラアヤオ]
1937年和歌山県生まれ。伝承料理研究家。奈良女子大学非常勤講師、国立民族学博物館共同研究員。著書多数
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感想・レビュー
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はる
13
図書館本。木箱が好きだ。なので重箱や手提げ重、遊山、箱弁当の古物を求めて、裁縫道具を入れたり文房具箱になっている。そして、その箱たちがお弁当箱だった時にどんな食べものやどんな暮らしが詰まっていたのかを思ったりする。子どもの時、暑い盛りに奥の山に杉修理(植林の手入れ)に連れられて行き、谷川のそばで食べた梅酢漬けの紫蘇のおにぎりを思い出した。手元に置きたい本。2015/08/01
きゅー
9
聞き書きにより再現したかつての日本のお弁当の数々。時代は昭和初期だろうか、祭り、行事、行楽、田植えなどハレとケの様々なお弁当が紹介されている。祭りのお弁当と言っても今から見たら非常に素朴。巻きずし、煮しめ、みかん、卵焼き、こんにゃく程度が入っているに過ぎない。野良仕事の弁当なんて、たくさんの麦飯に味噌、ナッパ、梅漬がせいぜい。いずれにしても肉は殆ど見られない。魚ですら貴重で贅沢品。こんな時代に生きていた人から見たら、高度経済成長期なんてまさに飽食の時代だったのだろう。ありがたくご飯を頂かないといけないな。2022/02/14
さんとのれ
5
大正末から昭和初期にかけての、日本各地の家庭の味を聞き書きしたシリーズのお弁当編。特別な日や毎日仕事場に携えていったお弁当が、祭事や生活習慣などと共に紹介されていて、当時の生活がしのばれる。冷めてもおいしいジャポニカ米により日本のお弁当文化が発達したという奥村氏の解説を読んで、食文化というのは日々の生活の中ではぐくまれていくものなのだなあと改めて確認。レシピ本ではないけれど、お弁当作り頑張ろう、とやる気が出てくる。2015/08/07
yuma
4
日本全国津々浦々の貴重な弁当記録。「働く人びとの弁当」がすこぶる興味深い。おかずは少なくとも、目には見えないものが沢山つまっていると思う。山行きの時は箸を持って行かず、ナタとそこらへんの黒文字でサッと手作りしてしまうおじさん達に感動。2016/05/01
青行灯
1
この本欲しい 面白くて、非常に興味深い…2014/04/06