出版社内容情報
裁判例を調べると、就業規則の不備が会社の敗訴につながったと思われる例がたくさん見つかります。他方で、よく工夫された規定が就業規則に設けられていた結果、訴訟における会社の主張が認められた例もあります。要するに、会社のピンチを招く就業規則もあれば、会社のピンチを救う就業規則もあります。
このような就業規則が登場する過去の裁判例を知ることで、就業規則の整備にあたって知っておくべき重要な教訓を得ることができます。しかし、そのような裁判所の判断を整理して掲載した書籍はなかったように思います。
本書は、就業規則にまつわる判断をした45の重要裁判例を題材に、裁判例で示されたルールやそこから得られる教訓を就業規則の整備に活かすための書籍です。単に裁判例を知るというだけでなく、就業規則の整備に役立てていただくという目的をまっとうするために、裁判例の事案の就業規則をどう改善すべきだったのかを「就業規則の改善例」などとして具体的に示すことにも取り組みました。 さらに、裁判例から得られる教訓をまとめた「就業規則の整備に活かすべきポイント」や「就業規則のリーガルチェックのポイント」を各所に掲載しました。これらは就業規則を一から作り上げる場面だけでなく、すでに制定されている就業規則の課題を法的視点から洗い出す際にも役立つものです。
就業規則の整備を業務とされている社会保険労務士の先生方や弁護士の先生方、そして会社の人事労務担当者の方々にぜひ読んでいただきたい一冊です。
【目次】
●第1章 人事規定にひそむリスク
本章で取り上げる裁判例
裁判例【1】試用期間
勤務態度不良の新入社員。延長規定がなくても同意を得て試用期間を延長できるか?
明治機械事件(東京地方裁判所判決令和2年9月28 日)
1 事案の概要
2 事実関係
3 裁判例の事案の就業規則
4 争 点
5 試用期間の延長の有効性を議論する実益と労使の主張
6 裁判所の判断
7 裁判所の判断の理由
8 就業規則に延長規定がない場合も試用期間を延長できるか
9 就業規則の整備に活かすべきポイント
◎就業規則のリーガルチェックのポイント
裁判例【2】転 勤
転勤拒否で給与返還。その規定は有効か?
ビジネスパートナー事件(東京地方裁判所判決令和4年3月9日)
1 事案の概要
2 裁判例の事案の就業規則
3 本件従業員の主張
4 裁判所の判断
5 裁判所の判断の理由
6 本件の裁判例の意義
7 判決の問題点
8 就業規則の工夫例
9 懲戒により対応することも可能
◎就業規則のリーガルチェックのポイント
裁判例【3】降 格
「現在の等級に在籍することが不適当な者」とは? 降格の要件を定めた規定の解釈
仙台高等裁判所判決令和5年1月26 日
1 事案の概要
2 裁判例の事案の就業規則 等
3 本件事案における等級引下げの経緯
4 裁判所の判断
5 裁判所の判断の理由
6 会社が敗訴した理由
7 まとめ
●第2章 休職・復職の境界線
本章で取り上げる裁判例
裁判例【4】私傷病休職の休職事由
「1か月を超えて欠勤したとき」を休職要件とする規定―適用ミスによるトラブル
石長事件(京都地方裁判所判決平成28 年2月12 日)
1 事案の概要
2 訴訟に至る経緯
3 裁判例の事案の就業規則
4 主な争点
5 裁判所の判断の理由
6 なぜ休職期間満了による自然退職が認められなかったのか?
7 連続欠勤要件を定める規定の問題点
8 本来あるべき休職命令の要件
◎就業規則のリーガルチェックのポイント
裁判例【5】復職可否の基準
会社指定医が認めなければ復職不可。会社独自の復職基準設定の効力は?
ワークスアプリケーションズ事件(東京地方裁判所判決平成26 年8 月20 日)
1 事案の概要
2 裁判例の事案の就業規則
3 訴訟前の経緯と会社の対応
4 裁判所の判断
5 裁判所の判断の理由
6 なぜ会社は負けたのか?
7 本件の裁判例と類似する判断をした他の裁判例
8 就業規則の整備に活かすべきポイント
9
内容説明
直近の裁判例を中心に、就業規則の規定が問題となった45の重要判決を取り上げ、詳細に分析。労使トラブルを予防する規定の作り方のポイントと例を提示。
目次
第1章 人事規定にひそむリスク
第2章 休職・復職の境界線
第3章 解雇・退職をめぐる攻防
第4章 服務規律の限界
第5章 労働時間をめぐるトラブル
第6章 所定内賃金・賞与の制度設計ミス
第7章 残業代をめぐる実務対応
第8章 退職金・福利厚生の失敗例
第9章 懲戒についての規定の不備
第10章 有期雇用がもたらす格差とトラブル
第11章 就業規則の変更の失敗と成功
第12章 就業規則の効力はどこまで認められるか?
著者等紹介
木澤愛子[キザワアイコ]
東京大学大学院法学政治学研究科修了。弁護士法人咲くやこの花法律事務所所属。特に人事労務の分野で使用者側の立場から問題社員対応、ハラスメントトラブル、メンタルヘルス不調者対応、解雇トラブル、残業代請求などを多く扱っている。社会保険労務士や顧問先企業向けの法務セミナーにも積極的に取り組んでいる
西川暢春[ニシカワノブハル]
東京大学法学部卒業。25歳で弁護士となり、現在、弁護士法人咲くやこの花法律事務所代表弁護士。企業の人事担当者や社会保険労務士、人事専門家とともに企業の労務管理の改善、労使紛争の円満解決に取り組む。全国の企業経営者、人事担当者、社会保険労務士からZoomや電話等での相談を受け付け、事務所顧問先約650社。企業向けブログ「咲くや企業法務.NET」、YouTubeメディア「咲くや企業法務TV」を毎週更新し、企業の労務管理を中心に解説
井田瑞輝[イダミズキ]
京都大学法科大学院修了。弁護士登録と同時に弁護士法人咲くやこの花法律事務所へ入所。入所以来、一貫して使用者側の労働問題の解決・予防に取り組む。労働者からの残業代請求事件や解雇の有効性が争われる事件、メンタルヘルス不調に起因する休職・復職を巡る紛争、労災請求への対応等の取扱いが多い。また、交渉事件や訴訟事件などの事後的な紛争解決だけでなく、紛争を未然に防ぐための予防法務にも取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



