出版社内容情報
日本は超高齢社会を迎えて久しいにもかかわらず、
「認知症」という症状に完全に対応する法的な策は未だに確立されていません。
「後見制度」の利用を思い浮かべる方も多いと思いますが、この制度には盲点とも言える欠点があり、
本書ではなるべく法制度に頼らずに認知症の親の財産と生活を守る方法を、
事例に沿って提案しています。
本書の考える後見制度の欠点は、大きく次の2つです。
・「硬直的」に過ぎ、お金を「家族」単位ではなく「個人」単位で管理するため、
利用者が心理的な抵抗を感じやすい
・「後見人に非常に強大な権限が与えられる」ため、
本人が嫌がろうと「本人のため」という建前で全部後見人が決めてしまえる
実は、本書で取り上げるトラブルの大半は、きょうだい間のこじれから弁護士に相談が持ち込まれています。
人間関係さえ良好に保たれていれば、家族の話し合いによって対処でき、
裁判所のお世話になるような事態にはならなかったかもしれません。
読者の皆様には、本書をきっかけに、
法制度によらない親の認知症対策を考える手掛りを掴んでいただきたいと思います。
不動産編
1 長男の嫁VS小姑 長年の不仲の末に勃発した実家の相続をめぐるトラブル
2 兄VS妹 認知症が疑われる父の財産管理をめぐるトラブル
3 姉VS妹 遺産分割後のマイホームの行方をめぐるトラブル
4 判断能力があるうちに自宅の処分方法を決めておきたい夫婦…後見制度以外に良い方法は?
金融資産編
5 兄VS妹 遺言書を残さずに急死した父の遺産分割協議をめぐるトラブル
6 兄VS妹 遺産分割協議の内容の履行、遺骨の返還をめぐるトラブル
7 兄VS妹 母の任意後見人就任をめぐるトラブル
8 兄VS妹 認知症の母の貯金の管理をめぐるトラブル
医療・介護編
9 兄VS弟 母の介護プランをめぐる意見対立
10 叔父VS嫁 末期がんに苦しむ義父の治療方針をめぐる意見対立
人間関係編
11 長男VS叔母 長年所在のわからなかった父の支援をめぐるトラブル
12 長男VS愛人 老いらくの恋に浮かれる父をめぐるトラブル
外岡 潤[ソトオカ ジュン]
著・文・その他
内容説明
成年後見を使わない方法も考えてみませんか?
目次
不動産編(長男の嫁VS小姑―長年の不仲の末に勃発した実家の相続をめぐるトラブル;兄VS妹―認知症が疑われる父の財産管理をめぐるトラブル ほか)
金融資産編(兄VS弟―遺言書を残さずに急死した父の遺産分割協議をめぐるトラブル;兄VS弟―遺産分割協議の内容の履行、遺骨の返還をめぐるトラブル ほか)
医療・介護編(叔父VS嫁―末期がんに苦しむ義父の治療方針をめぐる意見対立;兄VS弟―母の介護プランをめぐる意見対立)
人間関係編(長男VS叔母―長年所在のわからなかった父の支援をめぐるトラブル;長男VS愛人―老いらくの恋に浮かれる父をめぐるトラブル)
著者等紹介
外岡潤[ソトオカジュン]
弁護士、ホームヘルパー2級。「法律事務所おかげさま」代表。介護・福祉の業界におけるトラブル解決の専門家。介護・福祉の世界をこよなく愛し、現場の調和の空気を護ることを使命とする。介護トラブルの典型である「高齢者の転倒・骨折」の平和的解決策を模索する中、トラブルを話し合いで解決する調停技術「メディエーション」と出会い、その実践と養成講座を主催。趣味の手品と日舞のショーを施設で披露する傍ら、年間100件以上のセミナーや連載執筆をこなす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。