村上春樹を音楽で読み解く―「小説」と「音楽」をめぐる冒険。

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784537257892
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

羊~世界の終り~ノルウェイ~ダンス3~ねじまき鳥~カフカ~そして『1Q84』のあとに響くもの。気鋭の評論家による画期的論考。

目次

第1章 村上春樹と「ジャズ」―正確に位置づけられた「屑」―村上春樹と「ジャズ」について
第2章 村上春樹と「クラシック」―まずは音楽、お次に文学?―春樹作品とクラシックの関係を深読みする
第3章 村上春樹と「ポップス」―空白と回路―村上春樹の作品にみる“ポピュラー”な音楽
第4章 村上春樹と「ロック」―村上春樹的ロック至上主義
第5章 村上春樹と「80年代以後の音楽」―80年代以降において「60年代的価値観」を封殺することと、ロックおよびポップスが鳴りやんでいくことの関係について
特別鼎談 「更に深く、ハルキの森の、茂みの奥へ…!?」
巻末特別付録 村上春樹の語った音楽と、音楽から語られた村上春樹

著者等紹介

栗原裕一郎[クリハラユウイチロウ]
1965年生まれ。評論家。文芸、音楽、美術、社会問題などその執筆活動は多岐にわたる。主な著書に『<盗作>の文学史』(第62回日本推理作家協会賞受賞、新曜社)

大谷能生[オオタニヨシオ]
1972年生まれ。批評家、音楽家(サックス、エレクトロニクス)として先鋭的な活動を展開

鈴木淳史[スズキアツフミ]
1970年生まれ。クラシック音楽・文芸評論家。既存の言説に囚われない「私批評」を標榜

大和田俊之[オオワダトシユキ]
1970年生まれ。慶応義塾大学法学部准教授。専攻はアメリカ文学・アメリカ研究、ポピュラー音楽研究。日本ポピュラー音楽学会所属

藤井勉[フジイツトム]
1983年生まれ。ライター。2008年豊崎由美氏主催の書評講座「書評の愉悦ブックレビュー」参加(現在も在籍)をきっかけに趣味として文章を書き始める。『村上春樹を音楽で読み解く』で本格的に執筆活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

35
巻末の大谷能生と鈴木淳史、そして栗原裕一郎による鼎談が抜群に面白い。大谷氏の独特な視点による作品別の評価がかなり極端なことになっており、「薀蓄と睾丸を撫でるのが合わせ技でくると村上春樹の小説だなって」という指摘はまぁその通りだよねって思わず頷いてしまうなって。章毎ではやはり前者2名の担当箇所が秀でており、登場するジャズやクラシックについては単なる記号としてでなく、物語における必然性を持った選曲であることを導き出している。春樹にとってジャズは現実との接点であり、クラシックは異界への入り口であった。2016/08/29

fishdeleuze

16
村上春樹はジャズ喫茶のマスターをやっていたくらいだし、小澤征爾との対談を読んでもわかるとおり、非常にディープな音楽ファンだ。本書は、ジャズ、クラシック、ロック、ポップ等の音楽が、村上作品においてどのような意味合いで使われているかを論じたもの。シューベルトは異界参入の音楽であるとか、ディランやブライアン・ウィルソンは過去への強烈な追憶であるなど、おもしろい主張もあるが、とにかく一番面白かったのは大谷能生。『海辺のカフカ』のdisりかたには笑った。これだけ読んでもおもしろいくらい。あとエロ話が多くて笑った。2017/09/09

おーしつ

10
ジャズ→現実との接点(座標)、個人的儀式、クラシック→異界への入り口、ポップス→代替可能性(喪失感)、ロック→過去への扉(LOCK)、80年代以降の音楽→僕/私に価値観をもたらさないもの。 ・・・とジャンル別に個別の作品と音楽を検証しながら村上作品での音楽の意味が語られている。音楽に詳しくない(特にジャズは全く)者にとっては有り難い一冊。でも鼎談のぶっちゃけぶりが一番面白い。 音楽に関する単行本未収録資料などの付録も充実。2010/11/30

さえきかずひこ

3
五人の文筆家が音楽を軸にして村上作品を読む試み。すこぶる画期的な着眼点であり、この方法論で文藝評論が変わっていったら面白いと考えもするのだが、本書が春樹の有名性に頼って商品として成立している点は否めない。だから、一般化するのはなかなか難しいだろう。評論五本+ディスクガイド、鼎談、監修の栗原氏の丁寧さが光る付録つきと盛り沢山。このような書籍が刊行されたことを十全に寿ぎたいのだが、読者のひとりとしては全体的に誤字が目立つ点は気になると言い添えざるを得ない。2010/10/20

72ki

2
村上春樹の小説はほとんど読んだことがなく、またあまり興味もないのに、エッセイ、特に音楽関係のものはとても気に入っている私に向けて書かれたかのような一冊。特別鼎談での大谷能生が最高でした!2018/01/16

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