内容説明
恋愛・家庭問題、身分の問題、生活の不満、徴兵、将来の夢…悩み事からみえてくる一〇〇年前の日本!!明治時代の新聞、雑誌に掲載された「人生相談」一三八本からみえてくる当時の世相、現代との意外なギャップ。
目次
100年前も、やっぱりみんな悩んでた
清く正しき男女の道
聞いてください!職場のトラブル
私、結婚できるかしら?
どうしませう、これは困った!
愚にもつかぬコトが気になる私
不貞な私、道ならぬ恋の悩み
捨て置けない、これは事件ですよ!
明治の人々の日常生活の悩み
親たちの尽きぬ心配
言うに言われぬ健康・医学上の悩み
女の自立、男の夢に苦悩する
嗚呼、ミゼラブル
乙女たちの密かな悩み
著者等紹介
山田邦紀[ヤマダクニキ]
1945年福井県敦賀市生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。雑誌記者などを経て(株)日刊現代に入社。夕刊紙『日刊ゲンダイ』創刊に参画。以来、30年間、編集記者として、主に経済面、社会面にて活躍。現在はフリーランスのライターとして書籍、雑誌など、幅広く執筆活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shikashika555
36
明治期の新聞や婦人雑誌掲載の人生相談抜粋。 いかにも時代を感じさせる所以は、情報量の少なさと古来の儒教道徳、そして貧困の三点に集約されるように感じた。 内容としては 「親の自分すら知り得ぬ三太九郎(サンタクロース)と申す者が土産を持ってくるなどと嘘を教える(日曜)学校とやらには子供をやりたくない」 「夫に芸者から年賀状が来た」 「親の決めた縁談より本当に好きな人と添いたい」 「娘を芸者にして玉の輿に乗らせたい」 「活動写真を見せると子供がダメにならないか」 「外国人の下女となりなんとか生活を」等。 2024/06/28
椿
21
昔の人たちの悩み、現在でも理解できるものもあれば、はぁ?と首を傾げたくなるものまで様々だったよ。それにしても、男尊女卑がひどい。「産めよ殖やせよ」の時代で、堕胎罪なんてあったことは知らなかったなぁ。2016/06/15
mimm
15
およそ100年前の人々は何を悩んでいたか。「都新聞」を中心に「女學世界」「女學雑誌」「いらつめ」などの婦人雑誌に掲載された人生相談138本を編んだ一冊です。分かり易い解説とともに、当時の人はえ?こんなコトで悩むの?とその内容にもびっくり。情報のなさすぎも大変です。当時の女性の地位の低さ、男性でも庶民は割と苦しい生活を強いられたりしているコトなど見ると、古き良き日本ってやっぱり一部の特権階級の男性だけが思うことなんじゃないかなぁ…と考えてしまいます。お勧め。2012/05/28
ぽけっとももんが
13
すごい男尊女卑だけれども、昭和40、50年代くらいまではまだ似たような価値観だったような気もする。田舎では女が学をつけると婚期が遅れると真顔で言う人も多かった。確かお見合いと恋愛結婚の数が逆転したのも40年代だったし。さて、明治時代の悩み相談とその回答。面白いのは回答だ。なんだかむきになって怒りまくったり、美人と自惚れる女性を叱咤しつつ「来社するなら話を聞こう」と本音がこぼれたり。女性の自立についての的確なアドバイスが職業婦人の手になるものだったのは納得。2018/03/11
チロル
11
図書館本。我が家が取っている読売新聞にも「人生案内」という相談コーナーがありますが、始まりは本書によると、「明治39年12月19日の紙面には『今日から新たにこの一欄を設けました。(略)』」とあるから、西暦に直すと、1906年。つまり(2021年現在)今から115年前…!当時の「都新聞」(今の「東京新聞」の前身)を中心に、様々な悩みが掲載されています。時代だなぁ…と思ったり。昔も今も、変わらないんだなぁ…と思ったり。こんなに歴史があったんだと思うと、興味深かったです(^^)2021/02/26