内容説明
多くの人々に愛されてきた夢のようなおとぎ話。しかし、それらの中に巧妙に隠された残酷かつ好色な表現やストーリーをよくよく吟味すれば、そこにはおぞましい世界が現出する。本書は、「赤ずきん」「シンデレラ」「赤い靴」「オオカミと七匹の子山羊」「三匹の子ブタ」「浦島太郎」など、原典に秘められた戦慄を描く大人のための童話集である。
目次
残酷な展開の物語(赤ずきん―生きて帰れない恐怖のストーリー;山婆と小僧―性をもてあました女の愛欲;眠り姫―目覚めて後に不幸が襲う)
みにくい欲望の話(青ひげ―幼児好みの行きつく先は?;こぶとり爺さん―他人を不幸にしてみたい)
運命にもてあそばれた人々(赤い靴―魔女に魅入られた恐怖;浦島太郎―ここはどこ?私は誰?;運のいいハンス―「甘いレモン」にこだわる男の悲劇)〔ほか〕
著者等紹介
晨永光彦[トキナガミツヒコ]
1935年、名古屋市に生まれる。学習院大学文学部卒業。専攻は比較思想論、比較文化論で、主に東洋およびヨーロッパの古代を研究。神話や説話文学に関して造詣が深く、雑誌に民話や童話の研究を発表するなど、幅広く活躍している
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