内容説明
徳島から高知、愛媛、香川へと、四国八十八ヵ所霊場を結ぶ遍路道。弘法大師ゆかりの寺や史跡や風土を同行二人、金剛杖を手に一心に歩く…歴史と自然と人々の出会いに触れる巡礼行の魅力と感動をやさしく解説する。
目次
第1部 魅力編 徳島県から香川県まで・四国八十八ヵ所巡り―歩いて歩いて風になろう(足が痛い…「阿波」発心の道場;がまん…がまんだ「土佐」修行の道場;淡々と歩く「伊予」菩提の道場;名残を惜しむ「讃岐」涅槃の道場)
第2部 実践編 四国遍路の歩き方(お遍路の歴史;お遍路の身じたく;お遍路のお参り;お遍路の歩き方;お遍路の準備と費用;お遍路の用心;お遍路のことば;お遍路に行くための情報)
著者等紹介
佐藤孝子[サトウタカコ]
1952年新潟県長岡市生まれ。同志社大学文学部卒業後、神奈川県で小学校の教員を17年間勤める。退職後、四国遍路の旅に出て、42日間かけ、通し打ちで結願。以来、お遍路の魅力にとりつかれ、暇を見つけては春夏秋冬のお遍路旅を重ねている。’99年4月~12月まで東京新聞に「お遍路ワールドを歩く」を連載。’96年度毎日児童小説最優秀賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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つちのこ
39
幾度も遍路を繰り返す「お四国病」にかかった著者の、初めての歩き遍路を中心にまとめている。はっきりとした動機もなく、仏心もなく、突然飛び込んだ遍路の世界にとまどいながらも、徐々に心身が鍛えられ“いっぱしの遍路”になっていく過程がいい。しかし、挨拶をしても返してくれない人に対して、動揺を隠せず涙がこぼれてしまうという心の不安定さに、感情の起伏が激しい一面をみる。ともあれ、マメの痛みに耐え、42日間を歩き通した経験は、その後の人生にプラスに働いたようだ。女性一人でもチャレンジできる歩き遍路は、やはり素晴らしい。2024/08/07
きーさん
14
小学校の教師だった著者が不意に仕事を辞め、初めて歩いて四国遍路の旅に出て「結願」するまでの紀行文。足のマメや古傷の痛みと戦い、山中で犬に追われ蛇と遭遇し、宿の人や同じお遍路さんとの交流を経てお遍路の世界にハマるようすが旅のプロではない素人の視点から語られていて、読み物としても面白い。四国遍路の札所の歴史や見所、魅力的な道中の風景がコンパクトにまとめられている点もよい。四国遍路の旅に興味があるけど、何から読めばよいのかわからない…という初心者にピッタリ。ただ、読み終えると会社を休んで旅に出たくなる(笑)2013/01/31
ikedama99
5
寝床で読んだ本。お遍路さんの話を寝床で読むと、いろいろな思いが浮かんだりして、逆に目がさえることもあった。ただ、このようなことをしてみたいという思いは強くなったと思う。やはり、p150の「自分が擦り切れていくのがつらかった」という文章は、重く引っかかる。いずれは、歩き遍路をしてみたい。再読候補です。2018/01/04
ikedama99
4
改めて読み直した本。行ってみたいだけではなく、考えてします本だった。読んでよかった本。2023/05/31