出版社内容情報
内容説明
般若心経を知る―成り立ちや意味。般若心経を読む―訓み下し文と現代語訳。般若心経を唱える―作法に従って読経する。
目次
第1章 般若心経の成り立ちを考える(「般若心」を説いたお経;「仏を生む」仏母でもある;玄奘三蔵が持ち帰って漢訳;受け継がれた玄奘訳の般若心経 ほか)
第2章 般若心経の教えを知る(仏説摩訶般若波羅蜜多心経;観自在菩薩;行深般若波羅蜜多時;照見五蘊皆空 ほか)
著者等紹介
宮坂宥洪[ミヤサカユウコウ]
1950年生まれ。高野山大学仏教学科卒業。名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得。博士(哲学)。専攻はインド哲学、密教学。真言宗智山派照光寺住職。智山伝法院院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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EOEO
14
般若心経ってよく聞くけど、よく知らないので読んでみました。あんまり馴染みがないなぁと思ってたのもそのはず、実家も義実家も般若心経を唱える宗派じゃないですね。浄土真宗と日蓮宗が般若心経を唱えないってことすら知らなかった…無知ですね…。この本を読んだ感想ですが、難しいですね…。何となくわかったかな〜という程度にしか理解できなかったです。「色即是空」とか知ってる言葉はいくつか出てきましたが、意味をきちんと理解しようとするのは難しいです。でも、教養として般若心経について少し知ることができただけでもよしとしよう。2024/03/02
あつお
14
般若心経の大枠、を理解する本。 ヒトの苦しみは内から湧くものであり、それ以上でもそれ以下でもない。物事をありのままに見つめれば、それらの苦しみからも解法される。が、その悟りを開くためには修行が必要。般若心経ではその修行のプロセスを4階建ての建物に例える。1階は自我が確立されない赤ちゃんの状態。2階は自我が有るが、執着に苦しむ状態。3階で自我は五蘊にすぎないと悟る。4階は空のスペースである。 執着をありのままに見つめ、自由にさせる感覚は得るのが難しいもの。日々練習したい。2022/08/21
アルカリオン
11
p76 無智亦無得:この部分にある「智」と「得」を多くの解説書では一対のものととらえ、「知恵も損得もない」とか「知ることも悟りを得ることもない」とかと説明していますが、それらは誤りです▼般若心経の大本では、「智もなく」に続いて、「得もなく非得もない」となっています。小本では非得が略されていますが、「得」は「非得」と対なのです。ここでいう「得」とは損得の「得」ではありません。諸法を結合させる働きを「得」、分離させる働きを「非得」といいます。2021/05/21
アルカリオン
10
KindleUnlimited 望外の当たり本。「監修本」ではあるが、一定の説得力を持った見解がしっかりと述べられており、思索のための良質な材料となる。監修者の見解・意見が十分に反映されているのだと思う▼真言宗智山派の立場から般若心経の神髄をかみ砕いて説明する一方で、安っぽい人生訓として捉える見解・俗説を一刀両断するさまは小気味良い▼一方で、個々人が人生訓として受け入れることについては、解釈の一段階として理解を示している。様々なレベルでの解釈を許容する懐の深さが般若心経の人気の一因なのだろうと思う。2021/05/17
snow peak
7
般若心経の歴史から262文字全ての文字の解説が丁寧に書いてあります。色々な解釈もあると思いますが、仏教をよく知らない私でも分かるようにと、分かりやすく書いてあります。とても勉強になりました。2024/04/11