内容説明
「国家の認めない神々を導入し、若者たちを堕落させた」として、既存の社会体制を妄信する保守的な人々から告発されたソクラテス。死刑を免れる唯一の手段は自身の弁明のみという状況の中、ソクラテスは一切の妥協を見せず、自己の所信を力強く表明する。法廷のソクラテスを描いた表題作に加えて、脱獄を勧める老友との対話『クリトン』と、毒杯を仰いで刑死するソクラテスの最期を収録。
目次
プロローグ
告発者たち
デルポイの神託
メレトスとの対決
告発の行方
ソクラテスの予言
国家と国法（『クリトン』より）
ソクラテスの最期（『パイドン』より）
著者等紹介
プラトン［プラトン］［Ｐｌａｔｏｎ］
紀元前４２７～紀元前３４７。古代ギリシアの哲学者。ソクラテスの弟子でアリストテレスの師。アテナイの名家に生まれ、若い頃は政治家を志していたが、師ソクラテスの処刑を機に哲学へ転向。４０歳の時に学園「アカデメイア」を設立し、後進の教育と著述の生活に専念した。生前に刊行された著作は３０編に及ぶ（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ひろき@巨人の肩
92
岩波文庫『ソクラテスの弁明』の時代背景を実感するために、本書を手に取る。対抗弁論でソクラテスが死を恐れずに「善く生きる」ことの大切さを市民へ説く覚悟、後日談『クリトン』『パイドン』で自分の倫理観に貫いて死刑を受け入れる姿勢と仲間たちへの感謝に思いを馳せられたことが良かった。また青年プラトンの師への想いも記されており、2400年後の現代において、罪人ではなく哲人ソクラテスとして知れ渡る偉人となった事実に、プラトンの努力が実ったと胸が熱くなった。2023/11/28
ポップノア♪@読書熱再燃中？
78
読友さんのレビューを拝読して無料Kindleで即日読み。詭弁(問答)により多くの自称賢者の怒りを買い、裁判に掛けられるソクラテス。そこでも死刑を回避出来たのに、己の信念を貫きます。無知であることを自覚している分だけ他者より優れていると説く「無知の知」、財産からアレテー(徳)が生まれるのでは無くその逆である事、脱獄という不正をして生きるよりも正義に従って死を選ぶ「悪法もまた法なり」等、有名どころはしっかり押さえており読みやすかったです。高校時代、唯一倫理の成績が良かったのは、ソクラテスさんのおかげでした。2020/08/25
き
48
ソクラテスについて少し興味があったので読んでみたのだが、弁明の雰囲気がイラストで表されており面白い。他の哲学関係の本も読んでいきたいと思った。2021/03/04
鱒子
44
kindle prime reading 今まで難しそうだと敬遠していましたが、漫画のおかげでさっくり読めました。完璧に理解したとは全く思えませんが、そのうち漫画でないものも読んでみたい。… そして、もしわたしが500人の市民裁判官の1人なら、やはり死罪に入れたかもしれないと思いました。知恵深く清廉、傲慢かつ謙虚な人、ソクラテス。同じ時代に隣人として生きていたら、正当に評価出来る自信がないです。2017/10/25
navyblue
22
まんがになっているのでささっと読める。ソクラテスの入門の入門というべき本。これを読み終えて、興味が深まれば岩波文庫などにすすめばいいと思う。私見だが、潔い生き方だと思うけれど、近くにいたらちょっと面倒くさそうな人かも。それだけ私が普段あまり深く物事を考えていないということなんだろうけれども、、、．。2017/12/22
