内容説明
「関空」開港記念の上海ヨットレースに参加した新婚の石川夫妻の「サラマンダ号」が遭難した。新妻の兄でヨットデザイナーの野元は、中国人密入国に加担している漁船の船長から、石川夫妻が香港に拉致されたことを知る。野元は上海レースにメガ・ヨット「チャイナ・ドラゴン一世号」で参加していた香港の青年実業家ジョン・マーが用立てた身代金二百万香港ドルで石川夫妻の救出に成功する。一方、身代金を受け取ったのは香港の水上生活者のボス・チャーリー・ロウだった。彼は蛇頭とも、また天安門マフィアとも深くつながっていた。外洋ヨットレースが暴いた陰謀。書き下ろし長篇海洋ヨット小説。