内容説明
変化(へんげ)の術と〓斗雲(きんとうん)の法を自在に操り天界で大暴れする痛快無比のスーパースターの見掛けがサルに似ているからといって、ゆめ油断することなかれ。―『西遊記』を己が思策の悦楽の園(ホルトゥス・デリキアルム)となせる著者が、孫悟空誕生の謎と妖怪跋扈する不思議な語りの宇宙の秘密を、時間と空間のひろがりの中で重層的にとらえ読み解かんとした壮大な試み、あるいは思考の果敢なる冒険の軌跡としての最新エッセイ集。
目次
1 孫悟空のイメージ
2 孫悟空とハヌマーンを探す旅
3 三蔵法師
4 『西遊記』研究の周辺
5 孫悟空をめぐる妖怪・動物たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぎへん
7
ななめ読み。『西遊記』の孫悟空についてのエッセイと評論を集めた本。孫悟空というのはアカゲザルという手の短い種類のサルなんだそうな。16世紀までの中国周辺のあらゆる伝承が織り込まれているようで、サルとしてだけではなく龍として虎として石として、様々な象徴として孫悟空は存在する。痛快な小説であるだけでなく、伝承に関する知識量が多ければ多いほどより面白くなるというわけだ。随所に研究者の地道な推敲の積み重ねの光景を見られた。2016/02/22
テッテレこだち
0
孫悟空他、妖怪とそのすがた・在り方の変転を、テキスト・図像の両面から攻めたもの。一般向けの内容とお堅いものが混淆していて、跋文にもあるとおりかなり内容重複もあるが、思考過程のトレースという意味でも読んでいて面白かった。2017/08/14
きょんちん
0
図書館で。