出版社内容情報
心の病は脳という臓器の異常に還元できるのか。分子生物学者・精神科医である著者があえて人文諸科学に越境し試みた探究の軌跡。
内容説明
分子生物学者・精神科臨床医がサイエンスと人文諸科学を自在に往還し、脳という物質に還元できない心の謎に迫る。
目次
第1部 統合失調症とは何だろうか(統合失調症は分子生物学で解明できるのか;統合失調症は実体種か?;言語の条件―人類にとって統合失調症とは何か ほか)
第2部 精神医学とは何だろうか(脳でない心―心の病は医療化できるか;近代科学の死角―客観と主観の二分構造;コトの科学とモノの世界―精神疾患はモノかコトか?)
第3部 人間にとっての進化と病(「科学」の歴史と病のメタファー;「進歩」は廻る―螺旋の哲学;家族と倫理の起源 ほか)
エピローグ 科学者の魂
著者等紹介
糸川昌成[イトカワマサナリ]
1961年東京都生まれ。埼玉医科大学卒業。東京医科歯科大学医学部精神神経科、東京大学脳研究施設、米国国立衛生研究所(NIH)研究員、理化学研究所分子精神科学研究チームなどを経て、現在、東京都医学総合研究所副所長、同病院等連携研究センターセンター長、同統合失調症プロジェクト参事研究員。分子生物学者として研究活動を行う傍ら、東京都立松沢病院等で精神科医として臨床に従事する。専門は精神医学、分子生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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