こころの科学叢書<br> 母性愛神話の罠 (増補)

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こころの科学叢書
母性愛神話の罠 (増補)

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784535804371
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C3011

出版社内容情報

原著刊行から15年。子ども・子育て支援新制度スタートの年に、母性愛神話、三歳児神話の「いま」を増補し、装いも新たに再刊。

はじめに――なぜ母性愛神話を問い直すのか

第1章 母性愛神話にとらわれた社会とそのゆがみ

 聖域のまま保たれる家族・母性
 一方的な母性観をせまる社会の限界
 母性愛神話を二十余年前にさかのぼれば
 母性愛神話がもついくつかの顔

第2章 母性愛に寄せる人々の慕情

 母性愛を疑うことへの人々の抵抗
 母なるものに寄せる人々の郷愁
 母への郷愁をかきたてる文化的装置
 母を用いた見事な演出
 母を恋うる心情
 世代を超えた母への想い

第3章 母性愛神話の罠にはまる女性たち

 「子育てがつらい」と訴える母親たち
 かつての母親も育児のつらさに苦悶していた
 「いまどきの母親は……」という批判
 なぜ同じ罠にはまるのか

第4章 母の乳房にぶらさがる男たち

 息子に執着する女としての性
 男性にとって母と妻のどちらが大切か
 妻に母を求める夫と、夫をあきらめた妻
 母子癒着が生み出した悲劇

第5章 三歳児神話母子癒着の元凶

 三歳児神話に寄せる人々の思いとその弊害
 三歳児神話のルーツ
 三歳児神話に行政はいかに関与したか
 三歳児神話には「科学」も加担
 三歳児神話をめぐる攻防

第6章 人はいかに三歳児神話にとらわれているか

 人々のこころの中の三歳児神話
 保育現場にみる三歳児神話

第7章 母親の就労を憂う世論を憂う

 男女平等はいい。しかし……
 冷静な議論ができない
 母親意識の研究が示唆したもの
 育児に専念した結果、いま

第8章 母親の就労は本当に子どもに悪影響を与えるか

 三歳未満児の保育園入園はなぜ危ぶまれるのか
 母親の就労が子どもに与える影響
 子どもたちは働く母親をどのように見ているか
 働く母親への周囲の干渉

第9章 男を父にさせない母性愛神話の罪

 父子家庭の父の惑い
 砂上の楼閣に気づかないのんきな父親たち
 育児をしろといわれた男性たちの抵抗
 育児を許さない企業社会の厳しさ
 混戦模様の父親像
 父親論のゆくえ
 虚構の父親像

第10章 母性愛神話をかざす男たち

 妻の人生を狂わす男性の母性愛神話
 父親論はブームだが
 巧妙な反対
 父親は生きる厳しさを毅然と伝えうるのか
 強い父親は幻想
 父親の出番は「いざ」というとき?

第11章 母性愛が加害性をもつとき

 子どもをもたない女性を対象とした研究
 母性愛に分断される女の悲哀
 母性愛が凶器となるとき

第12章 母性愛神話からの解放女性の自己実現をめざして

 母性愛喪失の危機感
 母となることは、すべてを犠牲にすること?
 「母親以外の私」を求める女性たち
 起こるべくして起きた「文京区幼児殺害事件」
 『マディソン郡の橋』に涙する中年女性たち
 男も女も仕事も家庭も
 母性・父性に代わる「育児性」

補 章 「子ども・子育て支援新制度」のスタート

 子育て支援の制度は構築されたが
 ベビーシッター紹介サイト事件が映しだす社会の冷たさ
 母性神話へのこだわりも再び
 地域の??人財?≠ェ、今、マグマのような動きを

参考文献

あとがき

【著者紹介】
恵泉女学園大学教授/子育てひろば「あい・ぽーと」代表理事

内容説明

原著刊行から15年。この間、子育て支援活動の実践にもかかわってきた著者が、「子ども・子育て支援新制度スタート」の年に「三歳児神話」「母性神話」の「いま」と子育ての「未来」を追補する。…「子育て」は「神話」から解放されたか。

目次

母性愛神話にとらわれた社会とそのゆがみ
母性愛に寄せる人々の慕情
母性愛神話の罠にはまる女性たち
母の乳房にぶらさがる男たち
三歳児神話―母子癒着の元凶
人はいかに三歳児神話にとらわれているか
母親の就労を憂う世論を憂う
母親の就労は本当に子どもに悪影響を与えるか
男を父にさせない母性愛神話の罪
母性愛神話をかざす男たち
母性愛は加害性をもつとき
母性愛神話からの解放―女性の自己実現をめざして
「子ども・子育て支援新制度」のスタート

著者等紹介

大日向雅美[オオヒナタマサミ]
1950年生まれ。現在、恵泉女学園大学教授。お茶の水女子大学卒業。同大学院修士課程修了。東京都立大学大学院博士課程満期退学。学術博士(お茶の水女子大学)。1970年代初めのコインロッカー・ベビー事件を契機に、母親の育児ストレスや育児不安の研究に取り組む。2003年よりNPO法人あい・ぽーとステーション代表理事、子育てひろば「あい・ぽーと」施設長として、社会や地域で子育てを支える活動に従事。内閣府:社会保障制度改革推進会議委員、子ども・子育て会議委員、厚生労働省:社会保障審議会委員等も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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たぬーぴー

2
卒論で参考にした資料。概ね筆者の意見に共感するので気にならなりませんでしたが、章によっては感情的に見える部分もありました。 家族社会学系の卒論を書いて、自分ではこういうのに敏感であったつもりでしたが、それでもなお、気付かないうちに母性観が「刷り込み」されている側面に気付かされたのは驚きでもあり、反省。私が子育てをするとしてもまだだいぶ先ですが、母だから父だからと決めつけることなくコミットできることが当たり前の社会になっていることを望みます。2021/02/27

jackbdc

2
母性愛盲信や三歳児神話が万人に当てはまるものではないという指摘については同意。母乳がでるのは女性だけだが、哺乳類は集団で子育てをするよう進化してきた。一人で完璧な育児は不可能だと思う。子を産んだ母が企業で就労継続できるよう育休や時短勤務がとりやすくなるよう国レベルの関与が求められると思う。男性や地域社会の考え方も変わらなければならない。その上で社会全体が子どもや子育て家庭を支える仕組みを備える必要があると思う。一方で、母性愛神話と社会病理の因果関係を論じる部分の論については飛躍が過ぎると違和感を感じた。2020/10/13

みほ

1
3歳までは預けずに母親が保育すべきという「3歳児神話」、子どもを産む女性こそが子育てに適性があるという「母性愛信仰」、その結果家庭から締め出され、子育てに携わる機会を失う父親たち。これらに何の根拠も無いこと、高度経済成長期にあたり企業戦士を支える役目として生み出された「母親」というもの。根拠がない、と知るだけでかなり気が楽になった。そして、遅ればせながらいま現在の世の中の変化も感じられる。少子化の歯止めはなかなか効かないものの、世の中は良い方向に向かっている、希望を感じられた。2025/03/14

いとう

1
母性愛神話が育児、社会、男性のあり方に影響を及ぼす。 例えば敏感期を示う『三歳児神話』。これまでの調査や研究からは、幼児期の敏感期を支持する報告は多く、三歳児神話は正当であると考えられる。しかし、問題は母性剥奪が同時に語られてしまうことである。 母性愛神話が三歳児神話を歪めてしまうように、社会、男性、女性の生き方そのものさえも歪めてしまう。2021/12/18

新橋九段

1
表題の問題について、わかりやすく多岐にわたる範囲を抑えて論じているので非常に参考になる。2020/10/05

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