出版社内容情報
表題の「数え上げ」とは与えられた条件を満たすものの個数を求めることである。数学における「数え上げ問題」は組合せ論における古典的な問題で、特に代数的組合せ論などの分野で重要な役割を果たし、21世紀に入ってからも多くの興味深いテーマが研究されている。
本書は、大学初年級に学ぶ線形代数の道具を用いて「LGV公式」、「平面分割」、「ダイマー模型」、「全域木の数え上げ」といった数え上げ問題とそれに関連する話題を紹介している。これらは表現論、可積分系、数理物理学などと密接に関係し、それらの分野への導入ともなる。本書は「線形代数の先にある数学」を垣間見せる窓であり、線形代数から専門分野へと導く道標の役目を果たしている。
『数学セミナー』2010年4月号~2011年6月号の連載をもとにまとめた旧版に、幅広い応用をもつ「フック公式」を加えた増補版。
内容説明
線形代数の道具を駆使してさまざまな数え上げ問題を解く代数的組合せ論への招待。新たに幅広い応用をもつ「フック公式」を増補した。
目次
第1部 3次元ヤング図形の数え上げ(平面分割と非交差経路;LGV公式;平面分割とシューア函数 ほか)
第2部 完全マッチングと全域木の数え上げ(ダイマー模型;カステレイン行列;有限正方格子上のダイマー模型 ほか)
付録(線形代数の道具箱;フック公式;発展的話題)
著者等紹介
〓〓金久[タカサキカネヒサ]
1956年、石川県生まれ。近畿大学理工学部教授、京都大学名誉教授。専門は代数解析学と数理物理学で、特に長年にわたって可積分系を追求しているが、最近は組合せ論的構造にも関心を持っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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