出版社内容情報
多様体のトポロジーの超入門書。次元によって多様体の性質が劇的に変化する様子を伝えるのに工夫した。第∞章に最新の話題を紹介。
内容説明
多様体のトポロジーの超入門書!「次元」によって多様体の性質が劇的に変化する様子を伝えることに努めた。“新装版”では、新たな章を加え、著者が提起した問題が最近解決された体験を紹介。
目次
第1章 トポロジーと次元
第2章 偶数次元か、奇数次元か
第3章 独立した空間
第4章 次元が4の倍数かどうか
第5章 高次元と低次元
第6章 ベクトル束と特性類
第7章 その後の発展
第∞章 「余次元2のトポロジー」から「4次元のトポロジー」へ
付録
著者等紹介
松本幸夫[マツモトユキオ]
1944年埼玉県生まれ。1967年東京大学理学部数学科卒業。東京大学名誉教授。理学博士。専門は、位相幾何学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やす
7
「よくわかるトポロジー」のアマゾン書評で絶賛されていたので購読。まだ34Pだが忘れないように読んだとこまでを書いていく。前回と同じ。程度的には「よくわかる」と同じぐらい。でも厳密な定義をしないで感覚で攻める。なかなかよい。もうベッチ数が出てきてオイラー・ポアンカレの定理が紹介される。感覚的とはいうものの二項定理が証明されていたり緩急はある。不思議な感覚。「多様体の基礎」にお世話になったという人が多いけれど多様体の教科書もこんな感じならありがたい。(あっちはがちの数学書なんでそんなことはないと思うけど)2022/12/18
むらさき
6
超面白かった。 数学のお話本でお気持ち解説になりすぎず、逆に厳密すぎずにトポロジーの面白いところを解説してくれている。 そこら辺のバランス感覚が神っぽい! 現在、微分幾何を勉強しているけど、この本のおかげでモチベーションが爆上がり。 微分トポロジーの初歩を勉強したらまた読みたい。 四次元トポロジー面白そう!2022/04/29
kou
1
専門的な数学書ではなく、かといってブルーバックスのような一般向けとも言いづらい本。ある意味で中途半端とも言えるかもしれないが、これが個人的にはぴったりとハマった。 自分の手を動かして計算したり式展開を追えば、書いてある数学は大学2年生レベルの知識でも結構理解できる。 エキゾチックな球面や四次元多様体の触りの話は、もはや数学ではなく「お話」になっているが、ここは数学の言葉で書かれてもほとんど理解できないので、ちょうど良いバランス。 トポロジーの雰囲気を味わうには、かなりの良書ではないだろうか。2022/04/06