出版社内容情報
増え続ける子ども虐待。なぜ防止策は失敗しつづけているのか。虐待サバイバーのニーズをふまえ、具体的、実践的な方法を提言する。
内容説明
虐待防止策としてこれまで語られてきたのは、親のストレスを軽減する子育て支援や、児童相談所・学校・警察の役所間の連携促進でした。そうした取り組みは、虐待そのものを減らすことはできず、親に虐待をやめさせる仕組みにもなっていません。日本では、子どもの命や人権、身分を大事にする文化は、これから築いていくしかないのです。「さんざん虐待された子の1割しか保護しない」方針から、「そもそも親に虐待されない仕組みを作る」方針へ転換を!
目次
第1章 子ども虐待に関する不都合な真実
第2章 子ども虐待防止に立ちふさがる壁
第3章 子どもの年齢別虐待防止策
第4章 あなたができる虐待防止策
第5章 虐待サバイバーのニーズをふまえた制度改革へ
第6章 子ども自身ができる虐待防止策―親権から身を守るために
著者等紹介
今一生[コンイッショウ]
フリーライター&編集者。1965年、群馬県生まれ。千葉県立木更津高校卒。早稲田大学第一文学部除籍。コピーライターを経て、25歳から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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spatz
9
「こどもを虐待させない」めざすべき方向。この観点から具体的現実事案に沿った提言の宝庫。現況、現在の法のもとでは、虐待は減るわけはない。虐待される子供をどう守るか、では十分ではないのだ。児相のルポはいくつか読んだが、ひどい話に慣れてしまうような気持ち悪さが残る。児相の究極の現実的な動きは、死なせないこと、になってしまっている。 コロナ禍で親にもストレス過多なのを考えても当然。ここでは「親権フリー&シェア制度」を提案されている。過激にもうつるだろうが、これくるいしないとダメ。発想の転換。示唆に富む本だった。
Akio Kudo
2
★★★★★ 読んでいる内に児童虐待の深刻さが嫌という程伝わる。これだけ親にならない方がいい大人たちがいることに驚きを隠せない2021/05/29
connie
2
この方の論理展開には、子どもはどうしようもなく親を許し愛してしまうという視点が欠けてると思う。小さい子は特にそうなんじゃないかな。大きくなれば違うのかもしれないけど。親権のシェアは私も考えてる。小学生から子供を育てるとはどういうことかを教育することから始める。自分の生まれてきた時のこと振り返る授業あるけど、それの延長で生殖と育児もセットにして、あるべき姿を。そうすれば虐待されてる子はあれ?うちはおかしくない?ってなるはず。男女関係なく子育てを習おうよ、みんなで子供を育てていこうよ、夫婦じゃなくてもいいやん2021/04/18
狼
0
何度も読み返した。 フリーライター今一生先生の、子ども虐待防止策イベントにも何度も参加した。 私も虐待サバイバー。 小さな子どもが親に対抗などできるわけがない。反抗的な態度を取れば、親以外で育ててくれる人などいない。 仮に親から離れられて、施設や里親で育てられても、施設職員や里親がセカンド虐待をしてくる。 明治から今もある民法 未成年は親に服従しなくてはいけない 一体どこに子供を守る法律がある? アーニャのように、 大人の心を読み取って 大人にとって都合のいいように 「かわいい」子になるのが幸せ?2024/06/16
nekomeys59
0
本書は長年児童虐待の問題に取り組むんでいる著者が、児童保護法の不備をわかりやすく説明している。「じゃどうすれば良いの」という疑問にこの本は答えを出している。有権者の大人が変わらなければ人権を持たない子供は救われない。この国は子供を一人の人間として扱っていない事に驚く。運良く大人になった一読者として、そこからの知識を身につけることから始めなければならない。本書を読む事で著者の運動に協力できるかわからないが、虐待についての現状ともんだいを知る一歩だと思える。 2021/02/23
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- 和書
- 検証政治とカネ 岩波新書