つくられた「少女」―「懲罰」としての病と死

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つくられた「少女」―「懲罰」としての病と死

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  • サイズ B6判/高さ 20cm
  • 商品コード 9784535586970
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C3036

出版社内容情報

明治期の女子教育に医学と進化論がはたした役割を探り、近代日本におけるジェンダー規範の成立とその固定化の過程を明らかにする。

第一章 つくられた「少女」
 第一節 「規範」と「逸脱」
 第二節 先行研究と問題の所在
 第三節 「少女」研究の視点から見えるもの
 第四節 研究方法と本書の構成
第二章 「規範」像としての「少女」―その源流を辿る
 はじめに
 第一節 国の富強と種族の繁殖
 第二節 女子教育界における科学思想の受容
第三章 「逸脱」者とはなにか―「懲罰」としての病と死
 はじめに
 第一節 「懲罰」としての病
 第二節 学校による管理
 第三節 潜在的な病者
 第四節 女子教育制限説―「逸脱」を阻む科学的法則
おわりに――「少女」について考えるということ


渡部周子[ワタナベ シュウコ]
島根県立大学短期大学部講師

内容説明

「少女」とはなにか。様々な徴候に彩られ、確固たる存在感を示すが、いざ説明しようとすると難しい。近代医科学が教育に落とした影―それが「少女」の原型となった。その存在感の源を探るべく、女子教育が制度化される明治期まで遡り、その方針に西洋科学思想が与えた影響を考察することで、「少女」成立以前の、原型とも呼ぶべき姿を浮き彫りにする。

目次

第1章 つくられた「少女」(「規範」と「逸脱」;先行研究と問題の所在;「少女」研究の視点から見えるもの;研究方法と本書の構成)
第2章 「規範」像としての「少女」―その源流を辿る(国の富強と種族の繁殖;女子教育界における科学思想の受容)
第3章 「逸脱」者とはなにか―「懲罰」としての病と死(「懲罰」としての病;学校による管理;潜在的な病者;女子教育制限説―「逸脱」を阻む科学的法則)

著者等紹介

渡部周子[ワタナベシュウコ]
島根県立大学短期大学部総合文化学科講師。博士(文学)。主な著作に『“少女”像の誕生―近代日本における「少女」規範の形成』(新泉社、女性史青山なを賞受賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

袖崎いたる

10
自分は「少女」の語にどのようなイメージを噛ませているだろうかと考えたとき――澁澤龍彦、サンホラ、夢野久作、デイヴィッド・ハミルトン、ローゼンメイデンなどが浮かぶ。これらにはやはり通底したものがある。本書ではその何かについて社会史的に窺う。とりわけダーウィニズムと関連させて虚弱で無垢で生殖可能な少女像を論じるのは目から鱗。少女像についての先行研究も踏まえられていてしっかりした学術書になっている。女性蔑視とも読める明治大正の頃の少女政策/制作の議論には半ば辟易となるかもだが、文化としての少女のお勉強になる。2017/06/08

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

8
内容の暗澹さに途中で挫折。少女という概念はそれを作った男性にとってこそ有用なものなのに、たとえばオリーブ少女のように女性にそれをまるで自らのように取り込ませさせたってのはものすごい陰謀。女であることを呪いたくなりますよ。2017/05/06

kenitirokikuti

7
専門書ゆえ、しっかりとは読めず▲本書の狙い。少女はか弱いもの、というイメージは自然発生したものではなく、19世紀末の医学上の考えから発したことを示そうとしている。女子に対して男子と同じ教育を施すと負荷が大きすぎて心身の健康を損なうのだ。古い少女小説や少女マンガにもそうした人物はよくいる。『ハイジ』のクララとか、はいからさんのモデル『魔風恋風』とか。そういえば、『アイカツ!スターズ』のゆめちゃん、ひめ先輩、そして高原のサナトリウム少女っぽいリリアンヌらには微妙にその属性があった(のち目立たなくなった2017/09/18

Fancy Koh(旧SMOKE)

5
―「少女」は、女子中等教育の制度化によって出現した、就学期にあって、出産可能な身体をもちつつも、結婚まで猶予された「生殖待機期間」にあたる者であるーと明確に定義することからこの評論ははじまる。明治以降近代化とは富国強兵であり、そのために国に貢献する男子を育むために、女は良妻賢母でなくてはならない。女性の抑圧が制度と教育と科学的見地でもって強化されていくさまを丁寧に書いてある。女性ではなく、男が読むべきだと思った。少女という美しさのアイコンのうらに、男たちの勝手な都合があるのを、僕ら男は知るべきだ。2017/07/08

散文的思考者にも詩情を

0
▽「第二次性徴期の女子を身体においても精神においても、「弱い」存在と理論的に位置づけたのが医科学」とのこと。新しい角度からの少女論だった。「科学的」であることが、明治時代からすでに無条件に権力を持っていたのである。 ▽男性は、女性が男性の領域に侵入することを阻んでいるという主張が論の前提である。しかし、男性が男性有利の家父長制度の維持を目指しているとする根拠は何なのだろうか。歴史的事実としてそうなっているのは分かるが、はたしてそれは男性達の欲望であったといえるのであろうか。2017/09/25

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