出版社内容情報
明治期の女子教育に医学と進化論がはたした役割を探り、近代日本におけるジェンダー規範の成立とその固定化の過程を明らかにする。
第一章 つくられた「少女」
第一節 「規範」と「逸脱」
第二節 先行研究と問題の所在
第三節 「少女」研究の視点から見えるもの
第四節 研究方法と本書の構成
第二章 「規範」像としての「少女」―その源流を辿る
はじめに
第一節 国の富強と種族の繁殖
第二節 女子教育界における科学思想の受容
第三章 「逸脱」者とはなにか―「懲罰」としての病と死
はじめに
第一節 「懲罰」としての病
第二節 学校による管理
第三節 潜在的な病者
第四節 女子教育制限説―「逸脱」を阻む科学的法則
おわりに――「少女」について考えるということ
渡部周子[ワタナベ シュウコ]
島根県立大学短期大学部講師
内容説明
「少女」とはなにか。様々な徴候に彩られ、確固たる存在感を示すが、いざ説明しようとすると難しい。近代医科学が教育に落とした影―それが「少女」の原型となった。その存在感の源を探るべく、女子教育が制度化される明治期まで遡り、その方針に西洋科学思想が与えた影響を考察することで、「少女」成立以前の、原型とも呼ぶべき姿を浮き彫りにする。
目次
第1章 つくられた「少女」(「規範」と「逸脱」;先行研究と問題の所在;「少女」研究の視点から見えるもの;研究方法と本書の構成)
第2章 「規範」像としての「少女」―その源流を辿る(国の富強と種族の繁殖;女子教育界における科学思想の受容)
第3章 「逸脱」者とはなにか―「懲罰」としての病と死(「懲罰」としての病;学校による管理;潜在的な病者;女子教育制限説―「逸脱」を阻む科学的法則)
著者等紹介
渡部周子[ワタナベシュウコ]
島根県立大学短期大学部総合文化学科講師。博士(文学)。主な著作に『“少女”像の誕生―近代日本における「少女」規範の形成』(新泉社、女性史青山なを賞受賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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