出版社内容情報
化学物質のリスク管理に関する法令が省庁ごとに分断され、包括的な管理制度がない我が国の後進的状況を、どう変えていくべきか。
I 化学物質総合管理──確立された世界の枠組み
１．化学物質総合管理の確立と発展の経緯
２．国連研修調査機関の国際協調活動における役割
II 管理の適正化を目指す国際合意への政府対応の検証
１．化学物質に係る法体系の見直しを要請する国際合意に対する日本政府の対応
２．日本の産業競争力に影を落す化学物質管理の脆弱性
３．国際合意への政府の対応に係る提言
III 国際整合性に欠ける日本の化学物質審査規制法
１．2009年5月の化学物質審査規制法の改正の概要と問題点
２．化審法が世界に先駆けて新規化学物質事前審査制度を設けた法律でない証拠
３．欧米等の法規における管理制度等の共通性
４．2009年5月の化審法改正時の国会附帯決議への政府対応の検証
５．国会附帯決議事項に関連する２件の個別課題の検証
IV 欧米等の化学物質総合管理法制と独立行政監視機関等の役割
１．アメリカ、カナダ、オーストラリアおよびEUの化学物質総合管理への取組み
２．欧米等の化学物質管理の課題に対する独立行政監視機関等の役割
３．日本の統治システムの現状と問題点
付表 オーストラリアの化学物質とプラスチックの規制改革に関するPC（生産性委員会）の勧告
V 国際的に定式化された管理制度等への対応──事例：ハザード分類と表示の世界調和システムの導入
１．化学物質のハザードの分類と表示の世界調和システムへの対応
２．GHSの目的に適合した導入のあり方
付表 日本の危険有害物質の関連法規と表示、情報提供、自主管理等に係る規定状況等
VI 管理の適正化に不可欠な情報の共有公開
１．REACH規則体系の情報共有公開
２．EPAのTSCA関連情報の透明性と公開性の改善に係る最近の取組み
３．SAICMの基本文書に基づく情報共有のあり方
４．日本の関係省庁の化学物質関連情報公開の現状
５．Japanチャレンジプログラムの検証
付表 REACH規則の一般登録情報に関して、付属書?に規定される登録書式および付属書?に規定される化学物質安全評価書の書式
VII 日米の法律見直し過程を対比してみえる日本の問題点
１．TSCAの修正に係る連邦議会の取組み
２．アメリカと日本の法律見直し過程の相異に潜む日本の問題点
付表 連邦議会上下院におけるTSCA修正に係る公聴会の開催の状況
VIII 国際的に整合する化学物質総合管理法制の提案
１．化学物質総合管理法の規定事項の主な論拠
２．法律要綱案の概要と基本的な考え方
３．化学物質総合管理法制のさらなる普及を裏付ける関連国際機関の動向
付属書：化学物質の総合管理に関する法律要綱案
各章参照資料
資料集
星川欣孝［ホシカワ ヨシタカ］
化学物質リスク管理コンサルタント、元(独)製品評価基盤機構化学物質管理センター技術顧問
目次
第１章 化学物質総合管理―確立された世界の枠組み
第２章 管理の適正化を目指す国際合意への政府対応の検証
第３章 国際整合性に欠ける日本の化学物質審査規制法
第４章 欧米の化学物質総合管理法制と独立行政監視機関等の役割
第５章 国際的に定式化された管理制度等への対応事例―ハザード分類と表示の世界調和システムの導入
第６章 管理の適正化に不可欠な情報の共有公開
第７章 アメリカと日本の法律見直し過程を対比してみえる日本の問題点
第８章 国際的に整合する化学物質総合管理法制の提案
著者等紹介
星川欣孝［ホシカワヨシタカ］
１９３８年９月愛知県豊川市生まれ。１９６１年３月静岡大学工学部工業化学科卒業。４月三菱油化株式会社（現三菱化学株式会社）に入社、四日市工場試験課に配属。１９６２年９月中央研究所分析研究室に転勤、主にガスクロマトグラフィーを担当。１９７４年４月本社環境部（その後環境保安部に改称）に転勤。１９７８年４月本社環境部に化学品安全グループを創設し、化学製品に係る社内管理体制の整備や化学業界団体他での委員会活動を担当。１９９２年７月日本化学工業協会に出向し、化学業界の国際的な化学物質総合管理体制の整備、国際対応などを担当。１９９６年５月三菱化学株式会社を退社し、１９９７年１月にケミカルリスク研究所を立ち上げ、化学物質のリスク管理に係る調査・コンサルタント事業を開始（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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- 和書
- 公論と交際の東アジア近代
