内容説明
近代化とグローバル化がもたらした恩恵と喪失、対立と葛藤のなか、「教育」はいま、世界各地で、それぞれのローカリティに根ざした内発的発展を視野に、そのデザインを更新しようとしている。持続可能な未来へのユネスコなどの世界的動向を紹介しながら、方向感覚を失った日本の教育の長期的なヴィジョンと可能な選択肢を探る。
目次
第1部 もうひとつの世界との出会いと対話(もうひとつの時間を生きる―メキシコの学校の時間意識と教育観;つながるいのちへの眼差し―メキシコ「死者の日」の死生観から;二つの世界を生きるスタンス―北米先住民と星野道夫の物語)
第2部 世界のホリスティック教育の動向と課題(世界に広がるホリスティック教育―北米からアジア太平洋へ;国連「平和と非暴力の文化」への“ホリスティック・アプローチ”;教育と文化の持続可能な未来―「ホリスティックESD宣言」解説;日本発ホリスティック教育の一事例―「学校の森」づくり;「検証」ユネスコ文書に見る“ホリスティック”概念の変遷―二一世紀の教育ヴィジョン)
第3部 オルタナティブな学校づくりの可能性(シュタイナー教育に学ぶホリスティックな教育―文化に根ざして国境を越える;教育における「宗教的なるもの」再考―シュタイナー学校の一事例を手がかりに;市民が創るオルタナティブ学校の公共性―NPO法人立のシュタイナー学校づくり;多文化社会カナダのシュタイナー学校―理想と現実のあいだのオルタナティブ;北米発「ホリスティック教育ヴィジョン宣言」解読)
著者等紹介
吉田敦彦[ヨシダアツヒコ]
1960年大阪生まれ。京都大学大学院教育学研究科修了。現在、大阪府立大学人間社会学部・研究科教授。日本ホリスティック教育協会前代表。NPO法人京田辺シュタイナー学校理事。1998‐99年、トロント大学大学院OISE客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。