内容説明
二〇〇二年一月、二人の幼子を連れて歩道を歩いていた主婦に背後から激突して命を奪った「黒い塊」は、走行中の大型車からはずれた巨大なタイヤだった。不運な事故かと思われたこの出来事は、やがて史上空前の欠陥車事件へと発展していくこととなった。被害者の母親が勇気をふりしぼって起こした損害賠償請求訴訟。被告・三菱自動車はそれにどう応じてきたか。自ら申し入れた和解を被告はなぜ受け入れなかったのか。原告が満を持して提出した鑑定書は何を語っているか。民事裁判の展開を克明にたどりながら、同時に進行する刑事裁判の動き、三菱自動車を取り巻く情勢の変化などもフォローし、企業のコンプライアンスのあり方をも鋭く問いかける注目のドキュメント。
目次
第1章 事故は起きた
第2章 提訴へ
第3章 民事訴訟は、このように進んだ
第4章 制裁的慰謝料を請求する
第5章 弁護士を「セクハラ事件」が襲う
第6章 刑事訴訟と、その争点
第7章 和解交渉決裂後の民事訴訟
第8章 鑑定書
第9章 三菱自動車は転機を逃した
著者等紹介
小林秀之[コバヤシヒデユキ]
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。1952年、石川県に生まれる。1973年、司法試験合格。1974年、東京大学法学部卒業・第28期司法修習生。東京大学法学部助手、上智大学法学部助教授、イエール大学ロースクール客員研究員、ミシガン大学ロースクール客員研究員、上智大学法学部教授、上智大学法科大学院教授を経て、現在に至る。この間、国民生活審議会委員、大蔵省新しい金融の流れ懇談会委員などを務め、現在も財務省財政審議会専門委員
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