天城一の密室犯罪学教程

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  • サイズ B6判/ページ数 455p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784535583818
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「幻の探偵作家」の初作品集。理論と実践で提示する“本格推理の真髄”がここにある!摩耶正シリーズ全短編収録。

著者等紹介

天城一[アマギハジメ]
1919(大正8)年、東京生まれ。本名・中村正弘。東北帝国大学数学科卒。大阪教育大学名誉教授。1947(昭和22)年「不思議の国の犯罪」(『宝石』)でデビュー。その切れ味鋭い作風は一部に熱狂的なファンをもち、本業のかたわら発表してきた短篇は、各種アンソロジーに幾度となく再録されてきた

日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968(昭和43)年、神奈川生まれ。専修大学文学部卒。出版社勤務を経て、現在、フリー編集者、アンソロジスト
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ALATA

41
「幻の探偵小説作家」という触れ込みでチェックしていた作家さん。「実践編」「理論編」「毒草/摩耶の場合」3つのパートからなり、小説と解説が一緒になったマニアックな作品でした。著者が数学者ということもあり、謎解きはロジカルで切れ味鋭いといった印象。戦後に上申されたこの作品群は奇抜なトリック、論理的思考に9つにパターン化され考察されていて興味深い★2※短編の中に情報量が多く詰め込まれ、少しこなれていない印象。私の読解力不足か?もっと若い時(頭が柔らかな時!)に出会いたかったミステリーでした。 2022/07/09

しろ

12
☆7 幻の探偵作家の作品集。探偵小説――特に密室犯罪についての理論的な批評も収録されている。そしてそれがあるからこそ面白かった。1章の短編10編は、面白みの少ないトリック一発小説、それも極端でバカミスに近いもの。しかし、2章でそれらの意図を解説されると納得させられる。1・2章合わせて「密室講義」となっていた。また、その「教程」では乱歩をこき下ろしていたり、カーの『妖魔の森の家』が絶賛されていたり、エッセイとしても面白い。3章の摩耶探偵もの10編には面白いものもあり、『高天原の犯罪』はやはり一級品。2012/02/10

みお

9
名前だけは存じ上げていたものの未読でしたが、読メでお勧め頂いて読んだ作家さんです、ありがとうございます!おもしろかったけれど、私にはまあ難解…笑!ぎりぎりまで削ぎ落とし、修辞も独特で、短編といえども気軽には読めない感じ。『理論編』は専門の学術論文のようで、これまた難解。でもワクワクして読んだ私は余程の密室好きなんだなぁ笑。文明批評(御本人記述)な部分も含めて『高天原の犯罪』が特によかったです。『理論編』で先に類型知っちゃったのが悔やまれる…。摩耶探偵、いいなぁ。2012/01/19

73番目の密室

6
短編集兼密室研究本という摩訶不思議な一冊。実践編の十作は頁制限もあり読み辛く面白味を感じるのは困難だが、それらを作例として密室を9パターンに分け解説する理論編は貪るように読んだ。更にその後に続く”摩耶もの”の短編はどれも粒揃い。伝説の『高天原の犯罪』も目から鱗を落とされたが、創作の個人的ベストは『盗まれた手紙』に与えたい。正直スタイルはわけわからなかったが(笑)肝心のトリックが泡坂(チェスタトン)風味で頗る好みである。私のような密室狂には堪らない本だが著者は「密室をありがたがるな」と諭す。どうしろと…2017/12/17

はまちゃん

6
初天城一氏作品。様々な形の密室にこだわった短編集である。天城氏は寡作のカルト作家とのことであるが、なるほど一般的なエンターテイメント小説に慣れた身にはなかなかに読みにくい。短編集であったのが、大いなる助けとなり、なんとか完読できた。氏の作品に登場する合理主義者で堅物系の島崎警部補と天才型の摩耶の掛け合いは楽しい。まあ、このミスでランクインしていなければ、読むことのなかった作品であろう。「高天原の犯罪」と「明日のための犯罪」が好みであった。2013/04/03

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