内容説明
「精神のガン」ともいうべき分裂病。しかし、その成因はいまだ十分には解明されていない。はたして、精神分裂病は遺伝によるのか、それとも心理・社会的要因によるのか?分裂病理解の第1人者が、遺伝学・発生学、心理学、疫学の成果、そして患者・家族の手記を駆使しつつ、その全体像に迫る。
目次
第1章 歴史のなかの分裂病
第2章 分裂病をどのようにして診断するのか?―記載、定義、診断
第3章 苦しみの声―耐え抜いた人々の手記
第4章 分裂病の時代別、地域別特色―疫学、疾患統計学から知られること
第5章 分裂病は遺伝するのか?
第6章 双生児研究の成果
第7章 分裂病は心理的に感染するのか?
第8章 心理社会的・環境的ストレス因子の役割
第9章 悲しみの声―家族の手記
第10章 精神分裂病と社会および社会政策
第11章 全体像、相互統合と完成
第12章 来たるべきものは何か?―脳の10年間