内容説明
不正追及で政権の中枢にまで肉薄する迫力をもっている検察によせる一般市民の期待は大きい。庁法施行以来四十余年、検察は、この期待に応えてきたか。ベテラン司法ジャーナリストによる豊富な話題に彩られた本書を、特に法律家志望の若い人たちにすすめる。
目次
1 検察官同一体の原則
2 独自捜査の地検特捜部
3 検事への道
4 特捜の捜査の進め方
5 検察の政治性
6 政治情勢の反映
7 汚職の特徴
8 総裁選挙と銀行融資
9 世論とのギャップ
10 ロッキード事件のころ
11 検察の暗い影
12 検察の派閥
13 いまの検察
14 警察の情報収集活動
15 公安検察
16 公安検事たち
17 公安調査庁の役割
18 公安調査官の活動
19 政府の治安対策
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヤギ郎
13
朝日新聞の司法記者を勤めた著者による、日本の検察官や検察制度をみつめた一冊。1991年(第二版)発行。本書は検察庁の仕組みを論じた後、特捜検事、公安検事(おまけで公安警察と公安調査庁。)をみていく。検察は高い有罪率を実現しているが、ここには法で定めて検察の起訴独占主義と権力行使の抑制があるとみることもできる(115頁)。「検察が社会の先頭に立って、世直し論を強調し、世直しの尖兵意識をもつのは、むしろ危険で、社会の進歩、前進のための後衛に位置するほうがふさわしいといえるだろう。」(122頁)2020/06/08
-
- 和書
- ICHI - ノベライズ