内容説明
なぜ、障害をもつ人たちがホームレスになってしまうのか?生活保護は有効な支援か?仕事がないのは「自己責任」か?障害児教育に問題はないのか?―どのような人も排除しない、インクルーシブな教育と地域社会のあり方を探る。
目次
第1章 切れた社会的絆
第2章 社会自立に向けた教育
第3章 それでも彼らはホームレスになった
第4章 川崎市のホームレスと支援の道のり
第5章 インクルージョンを目指す教会
第6章 教会で生きる仲間たち
第7章 インクルーシブな社会を目指して
著者等紹介
鈴木文治[スズキフミハル]
田園調布学園大学教授、日本基督教団桜本教会伝道師。1948年長野県生まれ。中央大学法学部法律学科、立教大学文学部キリスト教学科卒業。川崎市立中学校教諭、神奈川県立第二教育センター、神奈川県教育委員会、神奈川県立平塚盲学校長、県立麻生養護学校長などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ
38
テーマが最近気になっているので手に取ったけれど、駄目でした・・こういった主張の本は。「支援者と共にある」共生、彼らを支えるのが彼らによって支えられている自分に気づく・・あまりにも手垢が付いたフレーズ(御免なさい)そういったレベルで語る問題ではなくなって行きつつあるのが今日の現状。キリスト教という教条が前提にはだかってくる感じが否めず、切りこんで行くテーマの途上で着いていけなくなってしまう。その人に必要なのは500円より温かさ・・それは教理の段階であって、実際経済問題も並行して必要である。2014/03/17
どんぐり
25
障害のある子どもたちを教える教師で教会の牧師をしている人が書いた本。教会の活動が半分を占め、残りがホームレス障害者たちの出会いと障害者福祉の教科書的な内容。著者の信仰の篤さなのか、「インクルージョンを目指す教会」「教会で生きる仲間たち」が前面に出てくるところで、ホームレス障害者の社会問題が全然見えなくなる。牧師の教条主義が邪魔をしているせいか、副題の「彼らを路上に追いやるもの」の追及にも至っていない。次は森川すいめいの『漂流老人ホームレス社会』を探して読むことにしよう。2013/09/02
おりん
22
ホームレスについて知りたくて読む。教育者と牧師の過去を持つ著者の視点から、教会の支援活動を中心に、障害を持ったホームレスについて語っている。感情移入させるような書き方が上手く、特に冒頭の方は結構乗せられて目頭が熱くなった。支援者から見たホームレスの姿についてもそこそこ知ることができた。障害者が社会からドロップアウトしてホームレスになりやすい事実があるのもわかった。遣る瀬無い話だ。2018/12/22
midnightbluesky
8
あの人変わっているよね、とか言われている人は実は障碍者である可能性が高かったりする。そのまま放置されて社会保障の枠からも置き去りにされて路上で暮らすことになってしまう。よく考えればわかることなのにこういう孤立が日々起きる社会っていったい何なんだ?と思わずにはいられない。2014/07/14
壱萬参仟縁
7
障害や病気に対する偏見・差別・排除は、教育や文化の普及した今日でも存在している。競争社会の方が差別や偏見は強固(31ページ)。格差社会の息苦しさ。地べたに寝る(36ページ~)。劇的ビフォーアフターどころではない。イエそのものがないのだから。野宿生活者が不在の国が先進国というように再定義できないものか。生存権はどうなるか? 政治家様、官僚様へ。ホームレスの人は中卒、3年以上家なしの人が6割強(97-98ページ)。湯浅誠氏の滑り台社会が数字で裏付けられた。ホームレスには検診は3カ月に1回のみ(149ページ)。2013/01/21
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