内容説明
「カウンセリングを受けて、私、本当に治るんですか?」クライエントのこの一言にどう応えるか。日々ゼロから自らに問いつづけてきたカウンセラー。カウンセリングをとおして、人間関係の深さ・怖さがリアルに見えてくる。
目次
第1章 カウンセリングの実際に学ぶ(カウンセリングってなんだろう?―イニシャルケース ネコを噛んだR君;カウンセラー解体される―「声が出ない」ことに悩むCさんの一言;共感と受容の前の仕事―薬が飲めなかったD君 ほか)
第2章 カウンセリングと言葉、カウンセリングの言葉(意味よりもコンテキスト―言葉の使い方・用い方;包む、届く、解き放つ―言葉のもつ機能と役割;具体的な伝え方―あいまいさを捨てろ ほか)
第3章 カウンセリング的トラウマ論―心的ダメージとその癒し(心の痛手;PTSDとはどういうものか;語ることの重要性 ほか)
第4章 カウンセリング備忘録(カウンセラーという人々;クライエントの性、カウンセラーの性;わかるという前提、わからないという前提 ほか)
第5章 心理臨床の零度(心理臨床の零度とは―臨床学への遡行;自己治癒力の解体―踏み込むことのできない領域;コミュニケーションの土台―脱近代へ ほか)