出版社内容情報
化石燃料に大きく依存したエネルギーの需給構造から再生可能エネルギーと省エネを中心とした需給構造へと日本は転換できるか?
内容説明
化石燃料時代から再生可能エネルギー時代へ、世界の政治と経済はどう動くか。2050年温室効果ガス排出ゼロに向けて日本の選択を問う。
目次
序章 エネルギー転換から考える国際政治経済関係
第1章 化石燃料と再生可能エネルギー
第2章 国際政治経済学とエネルギー安全保障
第3章 化石燃料時代の国際政治経済関係
第4章 気候変動問題とエネルギー転換
第5章 エネルギー転換の最前線
第6章 エネルギー転換時代の国際政治経済関係の展望
第7章 日本から見たエネルギー転換
終章 エネルギー転換時代の世界の行方、日本の行方
著者等紹介
高橋洋[タカハシヒロシ]
1969年生まれ。1993年東京大学法学部卒業、同年ソニー入社。内閣官房IT担当室主幹を経て、2007年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、同年東京大学先端科学技術研究センター特任助教。2009年富士通総研経済研究所主任研究員、2015年都留文科大学社会学科教授、2018年より同大学地域社会学科教授。博士(学術)。専門は公共政策論、エネルギー政策。経済産業省、農林水産省、外務省、内閣府、大阪府・市などの審議会委員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
81
仕事柄、エネルギーに関する論文を読むことが多いが、高橋洋先生の著書はとても信頼できる。特定の思想信条に偏さず(本書は、少しIRENAに寄りすぎ?)実態を踏まえ、将来への主張も的確である。化石燃料が輸入総額の1/3を占め、自給率6%の日本こそ、再生エネへの転換メリットを最大に享受できるのにという焦燥感が伝わってくる。その鍵がセクター・カップリングと国際送電を含めた電力系統整備だという指摘も正鵠を射ている。エネルギー転換が、安全保障を含む新たな国際政治経済の枠組み形成に繋がる切迫感の乏しさが現在の日本である。2021/03/16
とらちゃん
1
化石燃料に依拠した日本のエネルギーの需給構造。再生可能エネと省エネを中心とした需給構造への転換を先導する欧州や中国。地球環境保護や経済安全保障面からもその構造転換は意義が高く、特にエネルギー自給率の低い日本はその恩恵が大として分析結果が示される。データや予測を用いた分析は明快でなぜ日本で転換が進まないかにも触れられ、3E+Sを俯瞰してのバランスの取れた考察がなされている。近々に発表される政府のエネルギー基本計画における30年度の電源構成割合と再生エネの位置づけ、13年度比46%減達成の具体策に注目したい。2021/05/26
かーんたや
1
欧米のことはこんな本読まなくても分かるから、それ以外の国の人がどう思ってるのか調べてくれないか。2021/03/11