出版社内容情報
日本経済の行く手には多くの難問がある。短期・中期・長期という時間軸に沿って課題を整理する。
はじめに
第1部 アベノミクス景気を考える(短期的な視点)
第1部の基本的なストーリー
第1章 短期間に大きく変動したアベノミクス下の景気
ESPフォーキャスト調査とは/フォーキャスト調査三つの定理/プロのエコノミストたちはアベノミクスをどう見ていたか/突然怪しくなった景気/月例経済報告の判断と景気動向指数の判断/2015年はじめの現時点では消えてしまった景気後退派
第2章 アベノミクスと消費税で大きく動いた経済
第1幕におけるアベノミクス/第1の矢 大胆な金融緩和/大きかったアナウンスメント効果/第2の矢 公共投資の増額/景気拡大を支えた4点セットの息切れ/第3幕への課題
第3章 経済を大きく動かした円安
円安の経済的影響の整理/実際に現れた円安の影響/円安の影響をもう一度考えると
第4章 改めて消費増税を考える
駆け込み需要の「お団子理論」/四半期の動きは当初のお団子理論と大きくかい離/本質的な問題は実質所得の減少/これからの景気を左右する名目賃金上昇・実質賃金低下/政策的対応は必要なのか/10%への引き上げに向けて/軽減税率をめぐる議論
第5章 人手不足の深刻化と経済の局面変化
ひっ迫する雇用情勢/均衡を越えて制約要因へ/これからも続く労働力の減少/労働力不足への対応/需要不足経済から供給不足経済へ
第2部 山積する中長期的な課題を考える(中期的な視点)
第2部の基本的なストーリー
第1章 2014年末の総選挙は何だったのか
今回の総選挙は何のためだったのか/意外な3点セットの順序/消費税と経済情勢の関係/必要な民主主義の再設計
第2章 金融政策のブーメラン効果
「サンク・コスト」で考えるアベノミクス/発揮された金融政策のアナウンスメント効果/金融政策のブーメラン効果/金融政策の出口と財政
第3章 ますます難しくなった財政再建
政府の財政再建目標達成はほぼ絶望的/もっと大きな問題は2020年度以降/経済成長で財政再建は可能か/財政を展望する前提はどうあるべきか
第4章 改革迫られる社会保障制度
社会保障の現状/必要な社会保障のマクロ・リテラシー/人口オーナス下で賦課方式を維持していることが根本原因/働く層に偏る費用負担/企業負担も結局は働く人の負担に
第5章 成長戦略を考える
第3の矢「成長戦略」は、第1、第2の矢と性格が異なる/長期的成長と整合するのはむしろ円高/求められるメンバーシップ型雇用の変革/成長政策に奇策はいらない/成長戦略の打ち出し方についての疑問
補 論 東京オリンピックの経済効果について
東京オリンピックの意義をどう考えるか/3兆円の経済効果を吟味する/代替効果の存在に注意が必要/経済効果についての基本的な疑問
第3部 さらに深刻化する人口問題(長期的な視点)
第3部の基本的なストーリー
第1章 人口オーナス下の日本経済
第2次人口論ブーム/確かな未来の確かな課題/人口オーナスという視点/人口オーナスがもたらす5つの課題/歴史を作るのか歴史になるのか
第2章 人口1億人目標は達成できるのか
出生率と出生数/高齢化率と高齢者数/人口1億人目標の意義/人口1億人目標をさらに考える/政策目標として見た場合の人口目標
第3章 結婚と出生率について考える
日本の出生率はなぜ低いのか/出生率と結婚/なぜ未婚率は上昇しているのか/結婚を増やすことはできるのか
第4章 人口減少下での地域の再生
求められる地域からの成長戦略/人口から見たこれからの地域/人口オーナスを通じた悪循環の懸念/成功事例から導かれること/求められる地域づくりのイノベーション
第5章 自治体消滅論を考える
自治体消滅論ショック/自治体消滅論の特徴/集中のメリットも重要/工場等制限法の悪例/バラマキは避けられるか
おわりに
参考文献
【著者紹介】
法政大学大学院政策創造研究科教授、日本経済研究センター理事・研究顧問
内容説明
人口オーナス(重荷)への挑戦。これまでのような不十分な対応をしていたら、明日はないかもしれない。
目次
第1部 アベノミクス景気を考える(短期的な視点)(短期間に大きく変動したアベノミクス下の景気;アベノミクスと消費税で大きく動いた経済;経済を大きく動かした円安;改めて消費増税を考える;人手不足の深刻化と経済の局面変化)
第2部 山積する中長期的な課題を考える(中期的な視点)(2014年末の総選挙は何だったのか;金融政策のブーメラン効果;ますます難しくなった財政再建;改革迫られる社会保障制度;成長戦略を考える;東京オリンピックの経済効果について)
第3部 さらに深刻化する人口問題(長期的な視点)(人口オーナス下の日本経済;人口1億人目標は達成できるのか;結婚と出生率について考える;人口減少下での地域の再生;自治体消滅論を考える)
著者等紹介
小峰隆夫[コミネタカオ]
1947年埼玉県生まれ。1969年東京大学経済学部卒業。同年経済企画庁入庁。同庁調査局内国調査第一課長、経済研究所長、物価局長、調査局長、国土交通省国土計画局長などを経て2003年より法政大学に移り、2008年4月から同大学院政策創造研究科教授。日本経済研究センター理事・研究顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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