内容説明
日本漁業の再生は漁業関係者だけの問題ではない。データの全面刷新、「領海問題」「食の安全」の加筆、「大震災と漁業復興」の章を追加。パワーアップの新版。
目次
序章 日本の食を支える野生生物―さかな
第1章 漁業は見えざる手に導かれず
第2章 カツオがマグロに、タラがカニに
第3章 魚を獲る仕事、魚を獲る遊び
第4章 海洋大国ニッポン
第5章 魚の値段と油の値段
第6章 魚市場とレモン市場
第7章 食料自給率のマジック
第8章 漁業はエコか
第9章 漁業における貧困と格差
第10章 水産物貿易のドライバー
第11章 震災が浮き彫りにした日本漁業のミステリー
第12章 人間の幸せか、魚の幸せか
著者等紹介
山下東子[ヤマシタハルコ]
1957年大阪市生まれ。1980年同志社大学経済学部卒。1984年米国シカゴ大学大学院経済学研究科修士課程修了。1992年早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位修得退学。博士(学術)広島大学。現在、明海大学経済学部教授、水産政策審議会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サメ社会学者Ricky
1
個別割当にも問題があることが指摘されていて実際その通りだと思うが、今のような獲り方では資源は減り続けるし漁業者の負担も大きいはず。IT技術を駆使してハイ・グレーディングを防止するような施策は実践できないものだろうか…。2020/03/31
エドバーグ
0
別の著者の本では、先に獲ったもの勝ちのオリンピック方式をとる日本の政策を厳しく批判していたが、個別割り当て方式にもデメリットがあることがわかった。2015/09/05
Yasuaki Miyamoto
0
漁業の問題点について軽めの論調で書いてあるので読みやすいです。タイがツナ缶の世界的生産地だと初めて知りました。2014/05/06
石塚 哉史
0
漁業のシステムは、早い者勝ちの漁労活動が積み重ねるエネルギー多消型の生産構造であることを、「オリンピック方式」と称してその実態について魚と経済学を結びつけて専門家以外の読者にもわかりやすく記述しています。筆者も触れていますが、些か魚より漁師や消費者の話が多いですが、魚関係の話が幅広く記述されていて興味深かったです。2013/09/15
サメ社会学者Ricky
0
「魚を獲って食べることから得られる限界便益が、生態系を破壊することによって生じる限界費用と一致するところまで獲ればよい」という単純な話では片付けられない漁業の問題。資源数を簡単に測れないこともそうだし、他国との協力なしに守れない資源もある。安全保障としての資源管理も求められるが、指標になりがちな自給率も、国内消費量が減れば上がってしまうこともあるので注意が必要。2019/12/14
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