内容説明
本書は、現代日本の経済政策とその背後にある経済思考のパターンを論じたものである。経済学に則ったとされる通説的経済政策はシステマティックに誤っており、経済学の立場からはほぼ逆が正しい経済政策の方向であると主張する。さらに、通説がそのように逆の方向に誤るのは、設計主義的・社会主義的社会観が現在にも引き継がれて常識的な思考パターンとして人々を支配しているため、通説定説は設計主義的社会観を現代的な経済学の用語で表明しているにすぎないからであることをみる。
目次
第1章 新古典派経済学という『ヨブ記』―市場主義・設計主義・徳化主義
第2章 日本的設計主義―制度主義と主語の欠落
第3章 日本的市場主義―習合思想の現代的形態
第4章 借地借家法の中立性―法規制の朽敗と市場の自生
第5章 日本の金融制度―財政金融政策の生む小さな波乱
第6章 スーパーと魚屋―進歩を気取った旧弊な見解
第7章 ロースクール構想の経済学―レントシーキングとしての官製秩序
第8章 不良債権問題―強権主義の病い
第9章 牛肉輸入自由化の環境的帰結―教条主義の病い
第10章 自制的秩序としての都市景観―無垢の設計主義
著者等紹介
小谷清[オタニキヨシ]
1949年大阪府生まれ。1971年東京大学経済学部卒業。現在、筑波大学社会科学系教授、経済学博士
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