内容説明
通貨危機で大打撃を受けた東アジア諸国経済は、1999年中葉以降復調を見せつつある。しかし、アジア通貨危機を一過性の「交通事故」のようにとらえてはならない。現在及びこれからのアジア経済を分析する際、アジア通貨危機を踏まえない「通貨危機後の何々」という問題の設定をしてはならないであろう。アジア通貨危機は経済発展にとってリアル・セクターはもとより当然のことながら、ファイナンシャル・セクターも同時に分析することが必要であることを確認させた。本書はどちらかというと、リアル・セクターに関心を寄せていた筆者の、ファイナンシャル・セクターをも視野に入れたアジア経済論である。
目次
第1章 アジア・ユーフォリア
第2章 直接投資の台頭
第3章 日本の直接投資と国際生産ネットワークの形成
第4章 アジア通貨危機の発生
第5章 投資効率改善の戦略性
第6章 東アジアの人口動態
第7章 変貌する日本とアジアの関係
第8章 東アジアが目指すべき成長戦略