出版社内容情報
【理論、歴史、データをひもとき、経済成長の謎に迫る!】
経済成長は、経済学の創始者であるアダム・スミス以来ずっと注目を集めてきた、源流にして王道といえる最重要テーマの1つです。2024年と2025年は2年連続でノーベル経済学の受賞分野となるなど、世界経済が混迷を極める今、改めて注目を集めている分野でもあります。
本書は、特に戦後世界の経済成長に焦点を当て、「発展途上国で成長できる国とできない国が存在するのはなぜか?」「先進国で成長の仕方にもいろいろな形が見られるのはなぜかな?」など、経済成長のメカニズムを考えていきます。
本書ではまず、経済成長の謎を解き明かしてきたさまざまな理論を紹介します。最近はロボットやAIの進展の影響、環境問題の影響などもふまえた理論が考案されるなど、まだまだ発展と拡張が続いています。
続いて、経済成長の要因をデータに基づいて探っていく実証研究の知見を解説します。特に、経済の生産性を引き上げる重要な要因は何か? 社会を形づくる制度・法律などはどのように成長を促進したり妨げたりするのか? データに基づいてこうした点を掘り下げていきます。また、農業から工業へ、工業からサービス業へと、マクロ経済の中心を産業が変化してきた過程に着目した分析から得られる知見も紹介します。
最後に、経済成長理論モデルの外側で与えられた要件として扱われることも多い、人口減少や人口爆発の問題、少子高齢化、パンデミックなど生死に関わる問題を、経済成長の理論的枠組み中に組み込んだ分析も紹介します。
本書を通じて、「現代の経済をみるために必要な経済成長の知見」を、ぜひ獲得してください!
【目次】
序章 経済成長をどう考えるか?
1 経済学の源流にして王道
2 経済成長に対するミクロとマクロのアプローチ
3 3つのマクロ経済動学:景気循環、経済成長、経済危機
4 経済のキャッチアップ過程
5 経済成長と制度、構造改革
6 戦後の経済成長論のあゆみ
第1章 経済成長の基本パターン
1 はじめに
2 カルドアの定型化された事実
3 経済成長論を実証するためのデータ
4 主要なマクロ経済データベース
第2章 新古典派経済成長理論(1):ソロー = スワン・モデル
1 はじめに
2 マクロ経済成長理論モデルの基本設定
3 ソロー = スワン・モデルの基本
4 生産性(技術)の捉え方
5 ソロー = スワン・モデルの定常状態での成長
6 ソロー = スワン・モデルの特徴
第3章 新古典派経済成長理論(2):キャス = クープマンス・モデル
1 はじめに
2 社会計画者問題
3 競争均衡解
第4章 内生的経済成長理論:AKモデルとローマー・モデル
1 新古典派経済成長理論の特徴と問題点
2 AK モデル
3 Romer(1986)モデル
4 Ueda(2013)モデル
第5章 人的資本と内生的経済成長
1 はじめに
2 マンキュー = ローマー = ワイル・モデル
3 宇沢 = ルーカス・モデル
第6章 アダム・スミスの「分業と協業」と内生的経済成長理論
1 はじめに
2 スミシアン・モデル
3 機械化のモデル
4 機械化・ロボット化・AI化と労働者の取り分
第7章 財のバラエティやクオリティと経済成長
1 はじめに
2 財のバラエティ
3 財のクオリティ
4 創造的破壊(Aghion and Howitt)モデル
5 環境と新技術
6 世界規模での外部性と研究開発をめぐる問題
7 財政と経済成長
第8章 経済成長の要因をめぐる実証(1):生産要素と生産性
1 はじめに
2 新古典派経済成長理論か、内生的経済成長理論か
3 生産と資本の計測
4 成長会計分析と開発会計分析
5 人的資本と生産性の重要さ
6 東アジアは違うのか?
7 ルーカス・パラドックス
第9章 経済成長の要因をめぐる実証(2):生産性と制度
1 はじめに
2 資本主義経済の基盤的な制度
3 因果関係の特定の難しさ
4 植民地と経済成長に関する3 つの考え方
5 民主主義は経済成長をもたらすのか?
6 経済発展のブレーキ
第10章 金融と経済発展
1 はじめに
2 金融と経済成長に関する実証分析
3 理論モデルに基づい



