出版社内容情報
イラク戦争開戦後の2003年、立川の自衛隊官舎への反戦ビラを投函した3人が逮捕された「立川テント村事件」。3人は、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルから、日本初の「良心の囚人」(表現活動を理由に身体拘束された者)に認定されることになる。
平和を求める言論が抑え込まれそうになったとき、何が起き、誰がどう支えたのかを「法廷メモ訴訟」の原告として著名な米国人弁護士が、多くの資料やインタビューによって丹念に描き出す。そこから浮かび上がるのは、捜査や安全保障の論理による表現活動への圧力に対して市民、弁護士、研究者、ジャーナリストが、法と言葉を手がかりに粘り強く向き合った姿だ。さらに同時期に、同様に逮捕・起訴された荒川事件、堀越事件なども取り上げ、権力と市民の表現の自由のせめぎ合いを立体的に映し出す。
登場人物の背景や平和に対する考え方などにも触れる人間ドラマであり、展開の早いサスペンスストーリーとして読者を引き込むおもしろさがある。
世界各地で緊張が高まる今、平和を守るために私たちに何ができるのか--具体的な事実から考えるための一冊。
【目次】
プロローグ 首相演説(2003年12月)
第1章 「ともに声を上げよう!」(1945-2004年)
第2章 テント村の「正体」解明の警察捜査(2004年2月-3月)
第3章 もう一つの逮捕(2004年3月3日)
第4章 弁護団のリクルート(2004年2月-3月)
第5章 日本で最初の「良心の囚人」(2004年3月)
第6章 裁判に向けて(2004年3月23日-4月25日)
第7章 八王子での審理:第1回口頭弁論(2004年5月6日)
第8章 内密捜査(2004年7月20日)
第9章 八王子での審理:検察側の主張(2004年6月-7月)
第10章 八王子での審理:弁護側の証人(2004年9月)
第11章 八王子での審理:最後の証言と最終弁論(2004年9月-11月)
第12章 判決の日(2004年12月16日)
第13章 まだ終わっていない(2004年12月-2005年夏)
第14章 2005年と2006年の判決
第15章 テント村「石の要塞」にやってくる(2005年-2008年)
第16章 最高裁が荒川事件と堀越事件の判決を下す(2009年-2012年)
終わりに 戦時における反対意見



