出版社内容情報
個人と社会の関係に切り込んだ論文を中心に、3部構成で現代社会と法の有り様を浮かび上がらせる書。
第1部は現代社会の特徴を扱う。日本の近隣紛争などに注目し、地域社会の個人化を論じる点で共通するが、安易な人民の連帯には横着できない個人化・流動化した世界を論じる。
第2部は広い意味での法学方法論を扱い、法の閉塞状況を分析する。司法制度改革の実践、ローエコの系譜などを観察し、法学的「知の自律性」とは何かを論じる。
第3部は、人が法にどう関わっているか、法はどのような機能を果たしているかを探究する。第1部でみたような現代社会において法にあえて関わらなければならない理由を探り、その意味を俯瞰した論攷が並ぶ。
目次
始まる前に終わる
第1部 解体する社会(近隣騒音紛争の処理過程;マンションにおける生活と管理;生き甲斐としてのコミュニティ―1990年代のひとつの回顧;マルチチュードの(不)可能性―ネグリ=ハート『〈帝国〉』について
「ネットワーク社会」における「都市コモンズ」について
複合的分断と法)
第2部 閉塞する法/道具化する法(グローバル化と司法制度改革の法道具主義的展開―2005年の小括;法のクレオールを阻むもの;トートロジーとしての法(学)?―法のインテグリティと多元分散型統御
トイブナーの社会理論と法律学
自然の摂理と法的正義―法学の生物科学化をめぐって)
第3部 法を選ぶ/法に関わる(都市の公共性と法主体;紛争行動と法の主題化;司法への市民参加と文化ギャップ―ベルギーと台湾の調査からの問い;紛争行動/法使用行動と法文化について;相互監視と分散的制裁)
著者等紹介
尾崎一郎[オザキイチロウ]
1966年生まれ。2006年北海道大学大学院法学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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