出版社内容情報
戦前弁護士として抗日運動の中心的役割を担い、独立後は初代大法院長として韓国司法の基礎を築いた金炳魯。彼の足跡を克明に記す。
内容説明
現代韓国の政治、司法制度の根幹を明らかにする。現代韓国にそびえ立つ法曹の巨木、金炳魯。明治大学に学び、植民地時代には抗日弁護士として、独立後には清廉剛直・至公無私の初代大法院長として、六法の骨格を作った韓国法の定礎者として、李承晩の独裁に強く抗した民主憲政守護者として、民族の尊厳と統一を追い続けた。
目次
不遇な少年時代、疾風模索の青年時代
日本へ留学し法律を専攻する
法学教授時代―講義と研究活動
判事を経て弁護士の道へ
「有条理最熱烈」の抗日弁護士(1920年代)
弁護士組織の活動
法廷から社会へ―新幹会の活動と実地調査
大型思想事件の連帯弁論闘争
弁護士懲戒処分
社会的評価と自己認識
1930年代の抗日弁論
同友会事件、思想弁論の封鎖
倉洞時代―日帝末期の守節
解放と米軍政期―司法部長時代
初代大法院長就任
反民族行為特別調査委員会特別裁判部長として
清廉剛直・至公無私の大法院長
法典編纂委員長として基本法を起草する
大統領の憲法破壊に抵抗する大法院長
民主守護者としての剛直な批評
4-19前後の政治的荒波に飛び込む
結び
著者等紹介
韓寅燮[ハンインソプ]
1959年韓国慶尚南道晋州生まれ。国策研究機関である韓国刑事・法務政策研究院長、ソウル大学人権センター長などを歴任。現在ソウル大学校法学専門大学院教授。専攻は刑事法。韓国型法学専門大学院(ロースクール)の導入、国民参加裁判の導入、刑事訴訟と法務、検察制度の改革、死刑廃止論など司法制度の改革に力を注ぐ。人間の尊厳性が保障される刑法学と証拠を基盤とする犯罪学の調和、韓日の法学者間の知的交流の活性化による刑事司法の人間化と先進化への連帯の道を追求している
徐勝[ソスン]
1945年京都生まれの在日朝鮮人。東京教育大学、ソウル大学校大学院に学ぶ。1998年立命館大学法学部教授、2005年立命館大学コリア研究センター長を経て、2018年韓国又石(ウソク)大学校碩座教授、同大学校東アジア平和研究所長。東アジアでの人権侵害とその回復、および和解と平和をテーマに研究に取り組む。1994年多田瑶子反権力人権賞、2011年「真実の力」第1回人権賞、2022年光州オモニ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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