出版社内容情報
1952年の公職選挙法改正に焦点を当て、選挙運動に対する厳格な制限規定が現存している理由に関して合理的選択論の枠組から論じる。
目次
第1章 研究の背景・目的・方法
第2章 戦後日本の選挙運動規制の構造
第3章 公職選挙法制定までの選挙運動規制
第4章 1952年公職選挙法改正の政治過程
第5章 1952年時の警察の動向
第6章 1950年代における後援会普及と選挙運動規制
第7章 選挙運動規制研究の展望
著者等紹介
安野修右[ヤスノノブスケ]
1990年、広島県庄原市東城町(旧比婆郡東城町)に生まれる。2022年、日本大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。日本大学法学部特別助教を経て、現在は日本大学法学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中将(予備役)
1
日本の選挙法が他国にないような運動規制を敷いていることを指摘し、その起源として特に戦後の公職選挙法制定と改正を辿った研究書。選挙制度研究は、選出方法と投票行動に関するものが多く、運動規制と違反から垣間見える政治風土の研究(季武先生のなど面白い)はあれど運動規制とその影響の視点は新鮮だった。GHQが立法府の意向を強く止めなかったことや戦後の追放解除組の事前運動と戦後当選者との間の利害対立が経緯としてあったことは興味深い。1982年改正が候補者本位から政党本位に影響しているという指摘も面白い。2025/08/02