内容説明
カレーヒ素事件は不正な鑑定による冤罪事件だ。本書は鑑定不正の実態をわかりやすく解説する。
目次
第1章 カレー毒物混入事件(1998年7月25日)
第2章 2017年和歌山地裁決定における重大な転換
第3章 亜ヒ酸は同一ではなかった
第4章 科警研鑑定と中井鑑定の関係
第5章 第2審から再審請求まで
第6章 林真須美頭髪鑑定の問題点
第7章 職権鑑定
第8章 世界の動向と裁判の問題点
著者等紹介
河合潤[カワイジュン]
1957年生まれ、東京大学工学部工業化学科卒、東大工博。現在、京都大学大学院工学研究科教授(材料工学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
20
林死刑囚の自宅にあった亜ヒ酸と、カレーに混入されたものは別物ということを、本書でこれでもかといわんばかりに化学的に立証。その意味で「疑わしきは被告人の利益に」という過去の判例に沿っても、林を無罪と推定すべきであろう。だが、本書の目的ではないので触れていないが、林でなければ誰が何の目的にというモヤモヤは残る。2023/03/18
てくてく
7
カレーヒ素事件で用いられたとされるヒ素が容疑者宅に有ったものとは科学的に立証できたとは到底言えないこと、さらに当時市内にはかつて販売されていたヒ素がかなり残っており、「稀少」なヒ素を容疑者が用いたとは言えないにもかかわらず、そのようなストーリーが作られ、さらに裁判官がそれをうのみにしている様を批判していることはよくわかった。ただし、材料工学専攻の研究者による叙述であったため、途中揶揄されてる様に、文系には少々理解が難しいところもあった。 2021/12/28
703
1
内容としては興味深いのだが、難しくてなかなか読み進めることが出来ず、図書館の返却日になってしまったため、一旦断念。2024/07/29