出版社内容情報
江西・湖南省境の 井岡山から始まった毛沢東の農村革命と、根拠地の主要な族群(エスニック集団)であった客家の関係性の研究。
目次
序章 「客家と革命」をめぐる検討課題
第1章 毛沢東と客家の邂逅―井岡山の「山大王」との同盟
第2章 パンドラの箱―土籍と客籍の永年抗争
第3章 「土匪首領を殲滅せよ」―モスクワからの指令と井岡山の動揺
第4章 仕組まれた赤色テロ―土客籍矛盾の暴発
第5章 毛沢東の「不都合な事実」―袁王への対応の変化
終章 中国共産党政治とエスニック問題
著者等紹介
藤野彰[フジノアキラ]
中国問題ジャーナリスト、北海道大学名誉教授。専門は現代中国論。1955年、東京都生まれ。1978年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1978~2011年、読売新聞東京本社に記者として勤務し、上海特派員、北京特派員、シンガポール支局長、国際部次長、中国総局長(計2回)、編集委員(中国問題担当)などを歴任。1986~87年、中国政府奨学金留学生として山東大学に留学。2012~2019年、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
18
中共は井岡山での革命根拠地建設に地元の土匪武装勢力の協力を得た。この地域では移民の客家「客籍」と古くからの土着住民である「土籍」との対立(土客籍矛盾)があった。結果的に中共は客家武装集団を利用するだけ利用してその後、首領を始末することになる。この件は中共の公式な革命史から排除されてきたようだ。本書はその経緯を詳細に辿り、中共が「語ることができない」事情に迫っている。◇ベタな言い方をすれば読むほどにゾクゾクさせるエンタメ学術書といった趣。◆小林一美の『中共革命根拠地ドキュメント』の興奮が蘇る。2023/05/19
takao
1
正史では語られない客家2024/09/28