出版社内容情報
本書は、主に施設生活の不便を減じ、日常生活を塀の外に近づける概念と捉えられてきた行刑の「社会化」政策を、塀の外の一般社会の法と原則によって施設内生活を再構築するための政策概念として再定義した上で、この「社会化」の観点から、刑事施設医療の改革のあり方を検討。
目次
第1部 刑事施設医療の現状をどう理解するか(名古屋刑務所事件と刑務所医療;行刑改革と刑事施設医療;刑事施設視察委員会と医療問題 ほか)
第2部 刑事施設医療の改革とその国際的動向(刑事施設医療改革をめぐるフランスの経験;刑事施設独自の医療から社会共通的な医療へ―イングランド刑事施設医療の保健省移管をめぐって;オーストラリア・ニューサウスウェールズ州(NSW)における矯正医療の現状と日本への示唆 ほか)
第3部 刑事施設医療改革の公準(刑事収容施設の医療編成―アクセス・質保証の実施体制をめぐって;司法看護と刑事施設医療の改革;刑事施設における医療情報へのアクセスと被収容者の権利 ほか)